SixTONESというグループを追うおもしろさを実感 「Good Luck!」「ふたり」でも成立させた幅広い挑戦
11月2日に発売されるSixTONES待望の8枚目のシングルは、メンバーであるジェシー、京本大我それぞれが今期主演を務めるドラマの主題歌という、なんともゴージャスな初の両A面となった。音楽ジャンルとしてもアーティストとしても、活躍の幅の広さを見せつけることになった『Good Luck!/ふたり』、MVも含めた魅力を紐解く。
まず、ジェシー主演のドラマ『最初はパー』(テレビ朝日系)の主題歌「Good Luck!」。企画・原作・脚本を秋元康が手がける、お笑い養成所を舞台とするドラマで、ジェシーは市川猿之助演じる澤村銀平とコンビを組んでプロのお笑い芸人を目指す政治家の息子・利根川豪太役を務める。普段から独自のギャグを繰り出しては笑いを巻き起こす、明るく奔放、そして強心臓の持ち主であるジェシーの強烈なキャラクターは、音楽番組やバラエティで印象に残っている人も多いはず。そんな彼を見て、「ジェシーがもしお笑いをやったら……」という想像が頭をよぎったことのある人もいたのではないかと思うのだが、そんな「もしも」がドラマの中で叶えられるというだけでも興味深い作品だ。
主題歌「Good Luck!」は最初の一音から視界がパッと明るくなるような、ポジティブさ弾ける応援ソングだ。〈カッコ悪くてもいいんじゃない?〉〈明日は明日の風に乗ってさ〉など、肩ひじを張らない等身大の歌詞が軽やかだ。努力している人、夢を追っている人、あるいは何かに落ち込んでいる人を勇気づける楽曲であるのはもちろん、トークやバラエティで見せる自由さとは逆に、Sexy Zone 菊池風磨曰く「根は体育会系」のストイックなSixTONESを知るファンにとっても、ラップパートの〈ヘラヘラしてる裏の努力 everybody knows〉は特にグッとくるのではないかと思う。
「お笑い」というドラマの題材とも絡めて「笑顔」が大切なテーマになっているこの曲、ジェシーが「SixTONESのシングル史上最も笑顔で元気な作品です」とコメントを寄せている通り(※1)、MVも、メンバーの笑顔で満ちている。メンバーは黒スーツでモノトーンに決めながら、背景セットや絵の具をぶちまけたようなエフェクト、彼らを取り囲むダンサーたちの衣装は実にカラフル。板の上でスーツに身を包み、笑いを生み出すお笑い芸人の比喩のようでもあるし、緊張で強張りそうなところに肩を叩いて明るく励ましてくれる「Good Luck!」のメッセージを体現しているようでもある。