LOVE PSYCHEDELICO、今鳴らしたい音で生み出す一体感 圧巻の音響&演奏を届けた5年ぶりアルバムリリースツアー
ここ最近、アナログレコードの魅力に取り憑かれ古今東西のアナログを片っ端から聴くうちに、今作も「“ごった煮のスープ”のようなサウンドになった」と先日のインタビューで語ってくれたNAOKIだが(※1)、実際この日のライブでは「デリコ流ゴスペル」と言っても過言ではない「Sally」から、中期The Beatlesを彷彿とさせるヘヴィな「Radio song」まで様々なタイプの楽曲を次々と演奏。その鉄壁のアンサンブルをバックに地声とファルセットを巧みに切り替えるKUMI、まるで咽び泣くようなギターソロを炸裂させるNAOKIの、息の合ったコンビネーションに胸が高鳴る瞬間が幾度も訪れた。さらに今回はツアーのために独自に設計・製造されたコンサート会場用の特性スピーカーが導入されており、その音響の素晴らしさも、ライブを楽しむ上で大きなポイントになっている。
もちろん、「Last Smile」「Your Song」「Everybody needs somebody」といった過去の人気曲も惜しみなく披露。特に「Everybody needs somebody」のサビでは自然発生的にウェーブが巻き起こり、会場は心地よい一体感に包まれていった。
なんのギミックも、大掛かりなセット演出もなく、ただひたすらいい曲といい歌、そしていい音と演奏を愚直なまでにまっすぐ届けるデリコの2人とサポートメンバーたち。個々の内的変容にフォーカスし、「小さな革命」と名づけられた『A revolution』の楽曲たちが、このツアーでどんなふうに育っていくのか。今から楽しみでならない。
※1:https://realsound.jp/2022/10/post-1147657.html