乃木坂46 和田まあやの卒業で『アンダーライブ』は新体制に 伊藤理々杏、阪口珠美、林瑠奈ら次世代に繋ぐバトン

 一方の阪口は、26thシングル『僕は僕を好きになる』のアンダー曲「口ほどにもないKISS」でセンターに、その期間、日本武道館で開催されたアンダーライブでは座長を務めている。阪口について特筆すべきは、多くのテレビ出演で参加できなかった選抜メンバーの代打を担っているということだ。それはアンダーセンターと座長を経験し、スタッフ陣の彼女への信頼度が増した証拠でもある。言ってしまえば、アンダーセンターや座長をステップにして、選抜入りを果たしたメンバーはこれまでも多くいる。29thシングル『Actually...』アンダー曲「届かなくたって…」のセンターと、『29thSGアンダーライブ』での座長から、30thシングル『好きというのはロックだぜ!』で選抜復帰を決めた佐藤楓がその好例だ。

 佐藤、伊藤、阪口の3人は23rdシングル『Sing Out!』で揃って選抜入りとなるものの、そこから長い期間に渡ってアンダーに留まっていた。卒業する和田からアンダーの魂を継承しながら、佐藤に続いて次は自分がーーという選抜入りへの思いは伊藤も、阪口もきっと強いはず。特にグループ加入前から樋口に憧れ、アンダーとしても彼女の背中からたくさんのことを学んだ阪口は、樋口のポジションを受け継ぐのに相応しいメンバーの一人と言えるだろう。

 『29thSGアンダーライブ』をきっかけにして現在、佐藤とともに選抜メンバーとして活躍するのは、4期生の金川紗耶と弓木奈於。「届かなくたって…」で佐藤の両脇を固めるなど、以前からそのパフォーマンス性が高く評価されていた2人だが、4期生にはもう一人好評を得ているメンバーがいる。それが林瑠奈だ。『4期生ライブ2020』や『乃木坂スター誕生!』シリーズ(日本テレビ系)でのソロ歌唱から、その歌唱力の高さが早くから認められていた林。最近では先述した『乃木坂工事中』での企画で、MCのバナナマン 設楽統から今年5月に日産スタジアムで開催のライブ『10th YEAR BIRTHDAY LIVE』について、「アイドルがステージで輝いてるのを絵に描いた」ようないい表情だったと賛辞を受けている。たしかに自分の殻を破ったようにして、林の表情は柔らかく、豊かになっている。そのことがよく分かるのが、30thシングル『好きというのはロックだぜ!』収録の4期生曲「ジャンピングジョーカーフラッシュ」のMV。センターの筒井あやめを支えるフロントメンバーに選ばれた林のキレキレの腰の動きは目を見張るが、コメント欄にも見受けられる「林を目で追いかけてしまう」その一番の理由は設楽も言っていた表情の輝きではないだろうか。

 『真夏の全国ツアー2022』を経て、林がさらにメンバーと打ち解けていることは多方面から聞こえてきている。MC中にキャプテンの秋元に目線を合わせてウインクをしたり(『乃木坂46 TikTok LIVE』より)、ツアー中に遠藤さくらから「るるる」と呼ばれる仲になったり(『乃木フラ presents 矢久保の部屋 #5』より)と。次シングルでの選抜入り有力候補とされる林は、今最も勢いづくメンバーと言える。アンダーライブでのパフォーマンスは必見だ。

 約10年間、1期生・2期生が築いてきたアンダーライブの歴史を3期生・4期生という次の代に受け継ぐ最後の公演。進化と継承が一つのテーマにある、アンダーライブになるはずだ。

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