乃木坂46、期別毎に振り返る波乱の1年 “真の世代交代”を経て向かう次なるフェーズは?

 乃木坂46が本日8月21日に結成11周年を迎えた。

 乃木坂46には、8月21日のグループ結成日と1stシングル『ぐるぐるカーテン』をリリースした2月22日のデビュー日、2つの記念日がある。昨年12月にリリースされたベストアルバム『Time flies』、さらに今年5月に日産スタジアムで開催のライブ『10th YEAR BIRTHDAY LIVE』はどちらもデビュー記念日を祝したものである。一方結成日に関しては、昨年は当日に『真夏の全国ツアー2021』福岡公演があり、10周年セレモニーを兼ねたコンサート内容となった。そして本日8月21日も『真夏の全国ツアー2022』宮城公演の開催が予定されており、きっとメンバーが結成11周年記念日を祝うスペシャルなライブになることだろう。

 生配信も行われた昨年の10周年セレモニーを思い返した時に、筆者の脳裏に蘇るのはビブラートを利かせ「ハッピーバースデートゥーユー」を気持ちよさそうに独唱する生田絵梨花の姿。そんな生田をはじめ、この1年の間(2021年8月〜2022年8月)でグループからは10人ものメンバーが卒業していった。1年単位とすれば過去最多。だが、今年2月には乃木坂46の次の時代を担う5期生11人が加入している。雑誌のキャッチなどで「世代交代」という言葉は長年にわたり使われ続けてきたが、10周年というタイミング、過去最多の卒業生、5期生の加入という3点を踏まえると、この1年が真の世代交代と言えるフェーズだったのかもしれない。

 本記事では各期生ごとの1年間にフォーカスを当て、現在の乃木坂46を見つめていく。

1期生・2期生

 この1年で10人のメンバーが卒業していったと前述したが、そのほとんどは1期生と2期生である。旅立っていくことへの寂しささえあれど、そこに悲観的な見方をするファンは少ない。後述する3期生以降のメンバーが、乃木坂46の看板を背負って立つ存在として頼もしく成長しているからだ。

 現在、1期生の樋口日奈と和田まあやが卒業を控えている状態であり、8月31日リリースの30thシングル『好きというのはロックだぜ!』の活動期間を終えると、1期生は秋元真夏と齋藤飛鳥の2人、2期生は鈴木絢音の1人となる。今年7月の山崎怜奈の卒業を受けて、鈴木が自身のInstagramに綴った「私がいるよ!の気持ちです」「卒業したみんなも乃木坂46の2期生だったことには変わりないですからね」という言葉はとても心強かった。日産スタジアムに集結した生駒里奈や白石麻衣といった面々もまた1期生だったことに変わりなく、その偉大な背中は後輩たちの心を勇気づけたことだろう。

 秋元、齋藤、鈴木に共通しているのは後輩メンバーを見守る温かな眼差し。特に2期生と4期生という先輩後輩の関係性でありながら、1999年生まれの同い年かつ距離の近い鈴木と弓木奈於は、30thシングルでの弓木の初選抜入りもあり、ここ最近で注目を集めているペアだ。

 個人にスポットを当てた時、特に目立った活躍を見せるのが齋藤。ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)との音楽トーク番組『ハマスカ放送部』(テレビ朝日系)のスタートやMONDO GROSSOの楽曲「STRANGER」にボーカルとして参加するなど、乃木坂46を飛び出しての活動も目立つ。昨年開催された展覧会『春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46』をはじめ、パフォーマーとしての洗練された彼女の姿をまだまだ見ていたいと願うのは筆者だけではないはずだ。

3期生

 3期生が12人から11人になることは大きな出来事だった。大園桃子の卒業である。リリースから4年以上の時を経て公開された、まるでドキュメンタリー映像のような「思い出ファースト」のMVには、これからも変わることのない12人の絆が鮮明に刻まれている。

 個人としては、昨年11月に梅澤美波が副キャプテンに就任。日産スタジアム公演を筆頭にしたコンサートや『乃木坂46時間TV』でのMCにて、キャプテンの秋元を支える役割を担い、今では朝の情報番組『THE TIME,』(TBS系)の月曜レギュラーとしてグループを代表してコメントする立場にもある。今年2月には2期生・新内眞衣の卒業に伴い、『乃木坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)のパーソナリティを久保史緒里が継承。グループのフロントメンバーとして定着した山下美月や与田祐希が俳優として躍進するなど、一人ひとりがグループの顔と言える、もはや乃木坂46の中核だ。

乃木坂46『僕が手を叩く方へ』

 そんな彼女たちの強さは、30thシングル『好きというのはロックだぜ!』収録の3期生曲「僕が手を叩く方へ」MVにも印象的に描かれている。11人体制になってから初の3期生曲のセンターを務めるのは久保。ただ、映像は11人の“キャスト”にスポットライトを当てた内容であり、各々がポーズを決めるワンシーンは、力強く、それでいて美しい。後半の希望に満ちたクラップは真っ直ぐな応援ソングとしてのメッセージ性を後押ししながら、筆者は円陣を組むシーンに、アカペラで「思い出ファースト」を歌う1年前の映像を重ね合わせた。大切な存在に向けて、今だから歌える応援歌をーー来月、3期生は加入から6周年を迎える。

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