乃木坂46 林瑠奈、弓木奈於、金川紗耶、松尾美佑……アンダーとして輝く4期生メンバーの成長

　3日間にわたり、ぴあアリーナMMで開催された、乃木坂46の『29thSGアンダーライブ』が3月27日に終幕した。29thシングル『Actually…』収録のアンダー楽曲「届かなくたって…」で初のセンターとなった佐藤楓が座長を務めた今回のアンダーライブ。公演中のVTRでも触れられていたように1万人規模の大きな会場は、アンダーメンバーにとってはある種の超えなければいけない壁でもあったが、16人がその逆境を乗り越え、千秋楽には熱狂と感動に包まれるフィナーレとなった。

　座長としての不安を吐露しながらもこれまで見てきたアンダーライブとしての形を継承し進化させた佐藤はもちろんだが、今回がアンダーライブ参加2回目（黒見明香は初）となる4期生の成長も印象的であった。

　中でも筆者が目を奪われたのは、林瑠奈。今回のアンダーライブでは、16人が順にセンターを繋いでいくメドレーコーナーが存在しており、林はそこで「君の名は希望」を選曲している。林の歌唱力の高さは加入当初から評価されていた。2020年12月の『4期生ライブ2020』では「自分のこと」をソロ歌唱。『乃木坂スター誕生！』シリーズ（日本テレビ系）においては、中森明菜「少女A」を筆頭に、桑田佳祐「白い恋人達」（高音の伸びが素晴らしい）、小林幸子との「おもいで酒」、北川悠理との自己紹介ラップまで多彩なジャンルの楽曲を披露してきた。「君の名は希望」でのパフォーマンスを観て感じたのは、『4期生ライブ』の頃とは別人のような、堂々たるオーラを身に纏っていること。その自信との相乗効果で歌声もさらに力強く聞こえてくる。対照的に「届かなくたって…」の際のエキゾチックな雰囲気を放てるのも、林の魅力。MCで急に振られても、しっかりとしたコメントを返せる対応力も兼ね備えており、最近は徐々にバラエティ番組への出演も増えてきている。アンダーの層の厚みを象徴する一人であり、選抜入りの有力候補メンバーと言えるだろう。

　「届かなくたって…」で佐藤の両脇を固めるのは弓木奈於と金川紗耶。『乃木坂スター誕生！』で金川が先頭に立つダンスユニット「スーパーやんちゃんず」、さらにそのユニットを引き連れ歌うのが弓木であったが、2人のパフォーマンス力は今回のアンダーライブでも遺憾なく発揮されていた。センターを張った楽曲では佐藤が圧倒的数を誇るが、次いで金川が「My rule」「Route 246」「嫉妬の権利」、弓木が「自惚れビーチ」「制服のマネキン」「ここにいる理由」とそれぞれ3曲でセンターを務めている。「自惚れビーチ」をはじめとした物語性を感じさせる弓木に対して、キレッキレのダンスで会場の空気を変える金川（特に「嫉妬の権利」）と、バラエティを中心に迷言での印象が強い2人だけに、そのコントラストがまた独自の魅力に繋がっている。