『ベイビー・ブローカー』出演で話題のイ・ジウン=IU “国民の妹”として支持される背景
実はこのような現象は、過去にもたびたび起こっている。その理由を韓国の友人に聞いたところ、「IUに限っての話だけど、彼女の新曲を耳にするたびに、“そういえばこんな曲もあったな”と思い出すことが多いんだ。卒業シーズンではこの曲、ドラマではあんな曲がヒットしたなって。リスナーの記憶に残っている歌が多いんだよ」といった返事がすぐに返ってきた。
浮き沈みの激しいK-POPシーンで、かなりレアなケースだと言えるだろう。アイドル的なビジュアルに加え、歌唱力はハイレベル、ドラマや映画での演技を通してさらに深みのある表現力を手に入れた彼女。だからこそ心に刻まれる曲もたくさんあるというわけだ。
プライベートも注目すべきポイントである。今までに「恋人では?」と噂された相手は数多いものの、いずれも相手は才能豊かなタイプばかり。なかでも個性派のシンガーソングライター、チャン・ギハとの交際は、周囲を驚かせるとともに「さすがIU!」と思った人も多いだろう。
IUはチャン・ギハに関して「学ぶところが多く、ありがたい」とコメントしている通り、実際に自身の創作活動にも多大な影響を与えていたようだ(※2)。古き良き時代の韓国ポップスをカバーした『花しおり2』(2017年)は、最もわかりやすい例である。収録曲のうち、消防車(ソバンチャ)のヒット曲「Last Night Story」での突き放したような歌い方は、チャン・ギハに似た雰囲気が感じられる。
シンガー、俳優、私生活。すべてを完全燃焼するからこそ到達した唯一無二の表現力。それゆえに熱狂的な支持者も増えていく――。韓国の芸能人を紹介するときに、“日本の〇〇”という表現をよく目にする。その“〇〇”には日本の有名人が入るわけだが、IUの場合、当てはまる人がなかなか見つからないのが正直なところだ。『ベイビー・ブローカー』でその存在が気になった人であれば、今後も動向をチェックし続けてもらいたい。
※1:https://circlechart.kr/page_chart/onoff.circle?nationGbn=T&serviceGbn=ALL&targetTime=02&hitYear=2022&termGbn=week&yearTime=3
※2:https://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2030431