Aooo、“全員主役”の存在感で放つ独自の輝き 次なるステージ、日本武道館への期待を高めた熱狂の一夜

Aooo、“全員主役”の輝きを見せた東京公演

 Aoooの全国ツアー『Aooo Live Tour "RINGRING"』が6月12日、韓国・YES24 WANDERLOCH HALLにて閉幕した。5月8日の北海道・Zepp Sapporoを皮切りに国内外の9都市で行われたこのツアーでは、バンドとして日々進化を続けるメンバー4人の現在進行形の姿を目撃できるだけでなく、6月3日リリースの2ndアルバム『Rooom』からの新曲もいち早く披露されるという、過去と現在、未来を繋ぐ貴重な機会となった。本稿ではツアー国内千秋楽となった5月29日の東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演について記す。

 すりぃ(Gt)、やまもとひかる(Ba)、ツミキ(Dr)による朗らかな影アナを経て、BGMに合わせて会場内にクラップが自然発生したところで会場が暗転。逆光照明が会場を照らす中、メンバー4人のシルエットが浮かび上がると、電話の呼び出し音を思わせるけたたましいギターサウンドが鳴り響き、ライブは本ツアーのテーマソングとも言える新曲「CALL」から勢いよくスタートする。ステージ両サイドにリング状の特殊な照明システムが設置され、その間にメンバーが横1列に並んで演奏する姿は、まるでAoooというバンドの在り方——4人の対等な関係性を投影したもののように映る。

Aooo(撮影=日吉”JP”純平)

Aooo(撮影=日吉”JP”純平)

 ツミキ&やまもとひかるのタイトなリズムとすりぃによる切れ味鋭いギター、そして石野理子(Vo)が放つパワフルなボーカルがひとつの塊となって満員のフロアに飛び込んでくるライブの様子は、非常に熱量の高いものがあり、オーディエンスは否が応でも盛り上がり続ける。その勢いは、石野の「さあさあZepp Haneda、私たちと一緒に楽しむ準備はできてるか?」という煽りとともに始まる「BAQN」でさらに加速。ダンサブルなビートに乗せて観客が跳ねる「魔法はスパイス」など、クラップやシンガロングを随所に織り交ぜた楽曲群とともに、フロアはこの上ない幸福感に包まれていった。

Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
石野理子(Vo)
Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
すりぃ(Gt)
Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
やまもとひかる(Ba)
Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
ツミキ(Dr)

 「持ちうるすべてのエネルギーをぶつけますので、皆さんの目と耳に焼き付けて帰ってください」のメッセージとともに始まったのは、今年3月に配信されたばかりの「クエスチョン」。細かなフレーズを詰め込んだ小気味よいリズムに乗せて豪快なギタープレイが鳴り響き、そこに適度な温度感の歌声が重なる。この“全員が主役”である絶妙なバランス感こそAoooの醍醐味であり、以降も全身を使ってビートを生み出すツミキによる大きなミディアムビートが心地よい「Geeek」、石野もシンセで演奏に加わることで独特のうねりを生み出す「イエロートイ」、曲中盤ではすりぃ&やまもともドラムスティックを持ってドラム演奏に加わるダンサブルな「MORE」、メンバー主導でコール&レスポンスにも熱が入る「ネオワビシイ」など、色とりどりの楽曲からも“Aoooらしさ”をたっぷり堪能できた。

Aooo(撮影=日吉”JP”純平)

Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
Aooo(撮影=日吉”JP”純平)
石野理子(Vo)
石野理子(Vo)
石野理子(Vo)
石野理子(Vo)
すりぃ(Gt)
すりぃ(Gt)
やまもとひかる(Ba)
やまもとひかる(Ba)
ツミキ(Dr)
ツミキ(Dr)
ツミキ(Dr)
ツミキ(Dr)
previous arrow
next arrow
 
石野理子(Vo)
石野理子(Vo)
石野理子(Vo)
石野理子(Vo)
すりぃ(Gt)
すりぃ(Gt)
やまもとひかる(Ba)
やまもとひかる(Ba)
ツミキ(Dr)
ツミキ(Dr)
ツミキ(Dr)
ツミキ(Dr)
previous arrow
next arrow

 間髪入れることなく進行したステージも、中盤の「ネロリ」でムードが一変。しっとりめの曲調に合わせて、青い照明とステージ後方からフロア天井に向けて飛び交う無数のレーザーによる幻想的な演出で、ひんやりとした中にもほんのりと温かみが伝わる。しかし、そんな穏やかな空気も続く「フラジャイル・ナイト」で再びギアチェンジし、「FLASH FORWARD」「サラダボウル」と曲を重ねるにつれてフロアの熱量が急上昇。ステージ両サイドに設置されたリング型の照明システムは、ツアータイトルの「RINGRING=リング」にちなんだ形となっており、ある曲ではまばゆい光を無数に放ち、ある曲では左右向かい合ったシステムが光の“円筒”でメンバーを包み込むなど、シンプルな中にも多様性が感じられる演出で没入感を生み出していく。

Aooo(撮影=日吉”JP”純平)

Aooo(撮影=日吉”JP”純平)

 本ツアーで初披露となる2ndアルバム『Rooom』収録曲「ブルーライド」では、スケールの大きなサウンドに合わせて、オーディエンスがタオルを回すことで一体感を高めていく。アルバムリリース5日前ながらも、この日は先行配信された楽曲含め複数の新曲をいち早く耳にすることができたのは、ファンにとっても嬉しいサプライズだったことだろう。そんなアルバム『Rooom』について、石野はライブ終盤のMCで「幅広い音楽ファンに届いてほしいと思い制作しました。今自分たちがやりたいことを心のままに、全力に楽しむことができる環境があることが、すごくありがたいし幸せだなと思います」と口にする。続けて、応援してくれるオーディエンスの存在が支えになっていると感謝を伝え、「これからも、私たちについてきてくれたら嬉しいです」というメッセージとともに、メンバー4人で作詞作曲した「スターサイン」でライブをクライマックスへと導く。曲終盤では4人の歌声が重なり合い、会場中がこの日一番の幸福感で包まれた。さらに、エモーショナルさの際立つ「リピート」「水中少女」で盛り上がりを最高潮へと到達させ、ライブ本編を終了させた。

Aooo(撮影=日吉”JP”純平)

 アンコールでは石野から「今日は重大な発表を持ってきました」と、11月22日に初の日本武道館ワンマンライブ『Budoookan』が開催決定したことを告げるサプライズも用意。会場中に歓喜の声が湧き上がると、石野は「Aoooは私たちのエゴで始まったものですが、そこに共鳴共感してくれる人がどんどん増えて、全国を回れるようになって、たくさんの人がついてきてくれているので、皆さんを引き連れてさらに大きな場所につれていけたらと思います。音楽の聖地でもある武道館でどんな挑戦をしようか、自分たちもワクワクしているので、目撃しに来てくれたら嬉しいです」と力強いメッセージを寄せた。

Aooo(撮影=日吉”JP”純平)

 そんな嬉しい発表のあとに用意されたのは、さらなる新曲「ポラリス」。今までにない開放感の強さが伝わるこの曲は、ニューアルバム『Rooom』の中でも鍵となる1曲であり、来る武道館公演への期待を高めるのに十分な役割を果たしてくれた。その盛り上がりを代表曲のひとつ「Yankeee」で引き継ぐと、フロアはこの日一番の弾けっぷりで歌い踊り、最高の一体感を作り上げたところでライブはフィナーレを迎えた。

Aooo(撮影=日吉”JP”純平)

 「皆さんと近い未来、また会えることを楽しみにしています」と再会を約束してステージを去ったAoooの4人。その表情からはライブを大成功させた達成感や重大発表からの開放感などが入り混じった、最高の笑みを見つけることができた。『Aooo Live Tour "RINGRING"』が終了した彼らは、『FUJI ROCK FESTIVAL '26』をはじめとする数々の国内大型フェスへの出演を経て、日本武道館ワンマンライブへと向かっていく。現時点でもロックバンドとして脂の乗った状態の彼らが、ここからの数カ月でどこまでの高みに到達するのか、そして武道館公演が終わったあとに4人はどんな表情を浮かべるのか。“その日”が今から楽しみでならない。

■セットリスト
01. CALL
02. BAQN
03. 魔法はスパイス
04. クエスチョン
05. 青い煙
06. Geeek
07. CRAZZZY
08. イエロートイ
09. MORE
10. ネオワビシイ
11. ネロリ
12. フラジャイル・ナイト
13. FLASH FORWARD
14. サラダボウル
15. ブルーライド
16. スターサイン
17. リピート
18. 水中少女

アンコール
EN1. ポラリス
EN2. Yankeee

矢沢永吉、ゆず、ano、Aooo、原口沙輔、スーパー登山部……注目新譜6作をレビュー

毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は矢沢永吉「BORD…

乃木坂46、Ado、SEKAI NO OWARI、マカロニえんぴつ、FANTASTICS、Aooo……注目新譜6作をレビュー

毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は乃木坂46「ネーブ…

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる