『イコノイジョイ 2022』で=LOVE、≠ME、≒JOYが見せたグループの現在地 3組の絆も感じた「シャッフルパーティー」レポ
=LOVE、≠ME、≒JOYによる合同コンサート『イコノイジョイ 2022』が、7月3日に富士急ハイランド・コニファーフォレストで開催された。
指原莉乃がプロデュースする姉妹アイドルグループとして、=LOVEと≠MEによる合同コンサートがスタートしたのは2019年のこと。日比谷野外大音楽堂で行われた『24girls』を初年度として、翌年にはぴあアリーナMMで『24girls 2020』を開催。昨年からは今のコニファーフォレストに舞台を移し『イコノイフェス 2021』を、そして今年は新たに≒JOYを加えた3グループによる『イコノイジョイ 2022』へとステップアップしてきたコンサートの変遷がある。
夜の部「シャッフルパーティー」のラストで=LOVEの山本杏奈は、この『イコノイジョイ 2022』が初ステージとなった≒JOYの努力、さらに≠MEの成長、=LOVEの頼もしさを讃え、「奇跡の運命で出会った素敵な36人だなと改めて感じました。みなさん私たちと出会ってくださって本当にありがとうございます!」とファンに向けて挨拶をした。形や場所、名前、人数といった要素をマイナーチェンジしながらも、2019年からずっと変わらないのは、この合同コンサートがそれぞれのグループ(または指原莉乃プロデュースアイドルグループ全体として)の現在地とその成長を確かめる場所であるということだ。
「ウォーターパーティー」と題され放水の演出を大胆に取り入れた昼の部に対して、夜の部のメインとなったのは「シャッフルパーティー」と銘打たれている通りにグループの楽曲、メンバーをシャッフルした中盤ブロックである。観客の視線の先にあったのは、執事の衣装を着た冨田菜々風と蟹沢萌子をダブルセンターとした≠MEによる「祝祭」のカバーだ。オリジナルの=LOVE「祝祭」は、宝塚が好きな大場花菜と中性的な魅力を持つ野口衣織の2人が観る者をパーティーへと誘う歌劇。「P.I.C.」で≠MEのクールな一面を印象付けた冨田と蟹沢が、楽曲の妖艶な雰囲気を表現していく。
続くのは、=LOVEによる≠ME「チョコレートメランコリー」のカバー。特徴的なメイド風の衣装、センターに立つ野口の姿に再び客席が盛り上がる。今年2月に3rdシングルとしてリリースされた「チョコレートメランコリー」は、≠MEのダークな一面と表現力の高さを打ち出した楽曲。≠MEのパフォーマンスを受けてか、=LOVEメンバーの歌声や表情もより一層気持ちが入っているのが伝わってくる。中でも目を引くのは、センターの野口。「手遅れcaution」を筆頭に、豊かな表現力を持つ彼女と狂気的な愛がテーマの「チョコレートメランコリー」の相性は抜群。野口は落ちサビからグングンとギアを上げていき、楽曲の最大の見せ場でもあるラストの小指を咥える振り付けでは、眼光鋭くガチッと小指を噛んでみせ、客席が骨抜きにされる音がした。こうして=LOVEと≠MEがいわゆる同系統の世界観の楽曲を持ち、互いにグループの表現に落とし込んで披露し合えるというのは、グループ全体としての成長とも言えるだろう。
さらにその流れから突入していったのは楽曲だけでなく、メンバーをシャッフルしたパフォーマンスブロックだ。=LOVEの「cinema」「ズルいよ ズルいね」、≠MEの「ワタシアクセント」の3曲を、≒JOYを入れた選抜メンバーで披露していく。音嶋莉沙をセンターにした「cinema」では、≠MEの“みるてん”こと本田珠由記を含めた、いわゆる“可愛い選抜”の9人で歌唱。「ズルいよ ズルいね」では、原曲とは異なるアコースティックバージョンで、センターの齊藤なぎさを筆頭とした歌唱力に定評のあるメンバー10人が集結。=LOVEの佐々木舞香や諸橋沙夏、≠MEの櫻井もも、川中子奈月心といったメンバーがマイクを繋げていく中、≒JOYからは大西葵、村山結香の2名が選ばれていることも注目すべき点だ。特に大西は後述する「トリプルデート」の落ちサビでも伸びやかな歌声を響かせており、≒JOYを代表する歌唱メンバーとして成長していくことだろう。キュート選抜、ボーカル選抜に続き、「ワタシアクセント」で軸となるのはダンス。永田詩央里を先頭にして、精鋭10人がキレのあるダンスパフォーマンスを展開していく。永田の両サイドポジションを務める落合希来里と鈴木瞳美、さらに=LOVEからの大谷映美里、齋藤樹愛羅といった面々に加え、≒JOYからは江角怜音、藤沢莉子が登場。中でも江角はダンストラックの中で特技の空手を取り入れたパフォーマンスを展開し、ファンに大きなインパクトを残していた。