『イコノイジョイ 2022』で=LOVE、≠ME、≒JOYが見せたグループの現在地 3組の絆も感じた「シャッフルパーティー」レポ

『イコノイジョイ 2022』夜の部をレポート

 冒頭でも触れた通り、≒JOYにとってこの『イコノイジョイ 2022』がステージデビューであった。ともに『TOKYO IDOL FESTIVAL』がデビューライブだった=LOVE、≠MEとは異なり、観客数もステージもより巨大に、そして先輩グループと一緒に舞台に立つというプレッシャーもある。今年3月末のお披露目から約3カ月。メンバーたちは=LOVE、≠MEも経験してきた2泊3日の強化合宿を通して、ダンス課題曲の表現に悩み、涙しながら“アイドル”とは何かを身をもって実感してきた。さらに、思いもよらぬ新メンバー 小澤愛実の加入。13人として絆を新たにした彼女たちは、デビュー曲「≒JOY」で〈愛じゃなくて、恋じゃなくて、夢を歌え〉と真っ直ぐにメッセージを放つ。≠MEもデビューライブで披露していた=LOVEの「スタート!」「届いてLOVE YOU♡」に続いての「≒JOY」初歌唱。初々しいパフォーマンスではあるものの、理屈ではない観る者の心を揺さぶる輝きがあったことは確かだ。中でも特筆すべきは、センターを務める江角。筆者は3月のお披露目会を取材し、彼女たちを目の前にしていたが、この短期間で見違えるほどに垢抜けた江角の表情、そしてパフォーマンス力には驚かされた。=LOVEの髙松瞳、≠MEの冨田のように、≒JOYのセンターとしてグループを先導していく存在になることを確信した。

 「≒JOY」の次に披露された、≠MEの4thシングル曲「す、好きじゃない!」。この曲もまた『イコノイジョイ 2022』で初解禁となった。グループにとって初のアニメタイアップということもあってか、これまでの爽やかかつ疾走感溢れる楽曲のイメージに電波ソング的な要素が色濃くミックスされている。「てゆーか、みるてんって何?」がTikTokで大きなバズを起こすなど、アイドルファン以外の層にも着実にリーチしている≠MEが、このタイミングでアニメ『最近雇ったメイドが怪しい』(ABCテレビ・テレビ朝日系)のオープニング主題歌を担当する意味は大きい。また、2ndシングル曲「まほろばアスタリスク」は、夜の部本編のラストを飾る(雨の中での披露となった昨年のリベンジという位置付けもあるだろう)ほどに、≠MEを代表する1曲へと成長していたのが印象的だった。

 続いて、各グループの“新曲ブロック”ラストを飾ったのは=LOVEの「あの子コンプレックス」。すでにリリースされている、ツアーでもお馴染みの楽曲であり、先述した山本の言葉を借りれば=LOVEの「頼もしさ」を体現したのが、この曲であったと感じる。徐々に日が暮れゆく夕刻。会場には「す、好きじゃない!」から一変して、ひんやりとしたセンチメンタルな空気が流れる。その一端を担うのが、「あの子コンプレックス」でセンターを務める佐々木。憂いを帯びた彼女の歌声や表情が楽曲のムードを形作っていく。=LOVEは、デビュー時よりセンターを務めてきた髙松が11thシングルである同曲よりそのポジションから身を引き、佐々木が新センターに立った。髙松のセンター降板は、ファンに大きな衝撃を与えたが、「あの子コンプレックス」でまた新たな表現の域に達した=LOVEへの信頼はより一層高まったと言えるだろう。

 それぞれのグループが努力、成長、頼もしさを示したのが『イコノイジョイ 2022』であり、3グループ総勢36名にて夜の部のセットリストの最初と最後を飾ったのが「トリプルデート」だ。=LOVEの髙松、≠MEの冨田、≒JOYの江角と各グループのエースが並ぶ歌い出しを例に、3グループにおける立ち位置やキャラクター性がはっきりと映し出されている。野口と冨田が見事なハモりを決める〈ハート ダイヤ ティアラ トキメキ放って〉を経て、指原がその歌声に惚れ込み≒JOYに追加加入した小澤、そして大トリを務めるのが髙松。イコノイジョイとしての絆を確かめ合う合同曲であり、来年また3グループが歌うことで1年の成長が感じられる楽曲になる予感がしている。

 そして、今年は例年に増して3グループに関する様々な新情報が発表された。=LOVEの12thシングル発売に国立代々木競技場 第一体育館での5周年コンサート開催、≠MEの幕張メッセ 幕張イベントホールを含めた秋ツアー、≒JOYの『TOKYO IDOL FESTIVAL 2022』出演と山野ホールでの特別公演、さらには『イコノイジョイ大運動会 2022』の開催と、未来が待ち遠しくなるアナウンスばかり。「トリプルデート」の歌詞にある〈確信した この夏は暑くなるでしょう〉がぴったり当てはまるシチュエーションだ。=LOVE、≠ME、≒JOYがコニファーフォレストというホームに帰ってくるまでの、また新しい1年がスタートした。

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