Kis-My-Ft2メンバー分析 第4回:横尾渉、味わい深い魅力とポテンシャルの高さ 独自路線を邁進する新しいアイドル像

 そして横尾は近年、開花している。『キスマイ超BUSAIKU!?』(フジテレビ系)では、抜き打ち課題のダンスや、パッションと勢いで貫き通す英会話など、ユーモアあふれる一面をイキイキとのぞかせる。『UTAGE!』(TBS系)の定番コーナーとなった「DJ師匠」を見ても分かるように、おちゃめで、人を笑わせることが好きな人だ。

 『10万円でできるかな』(テレビ朝日系)、『キスマイどきどきーん』(dTV)では、ひとたび話し出すと止まらなかったり、スタッフとやり合ったり(もちろん、良好な関係性あってのことだ)、急にゴネ始めることも。グループでは“兄組”ながら、実生活では末っ子三男坊というギャップや時折垣間見えるその素顔も、横尾の魅力だろう。

 なかなかメディアでそこまでは言えないということも、横尾は言う。けれどそれは、誰かを傷付けるようなものではなく、言うなれば身を切るもの。以前の横尾は、苦手なことはもちろん、自分自身をあまり見せたがらないところがあったように思うが、今は振り切っている。これは推察でしかないが、自分に傷が付くかもしれないリスクよりも、「それで誰かが笑うなら」というエンターテインメント精神が育ったように感じる。そんな自分を彼自身が面白がっているようにも見え、いまや何が飛び出すか、一番分からない人だ。

 ただし、誤解されやすいところはある。言葉が少ない、または多いゆえ、ハラハラすることも少なくない。けれどそれが、横尾渉。前回(※2)、宮田俊哉について「好き」を貫ける強さがあると書いたが、横尾は「嫌い」と言える、それはダメだと口にできる強さがある人だ。彼の言葉は、ときにファンや視聴者の思いを代弁してくれているようで、それもまた、アイドルの新しい在り方なのかもしれないと思う。

 なかには食わず嫌いをしている人もいるかもしれない。けれどハマればとことんハマる。やはり、くせになる存在だ。

※1:https://www.iza.ne.jp/article/20220320-GVZPTLQBUVIHTFVVWOAWO7PEZE/
※2:https://realsound.jp/2022/03/post-989993.html

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