Kis-My-Ft2メンバー分析 第3回:宮田俊哉、心優しいポジティブな努力家 “好き”を貫く勇気を与えた先進的な存在

 先日、約3年ぶりとなるドームツアー『Kis-My-Ftに逢える de Show 2022 in DOME』の開催を発表したKis-My-Ft2。現在、メンバー全員がちょうど年子になる「年子ウィーク」真っ最中だ。それぞれが得意な分野で活躍しながらも、ここぞというときにはチームワークを見せる、自由なようで強固なグループ。その個性豊かな活動を軸とし、魅力をまとめてみたい。第3回は宮田俊哉。

Kis-My-Ft2
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 ジャニーズファン以外のエンタメ視聴者層に「キスマイ、知ってる?」と尋ねたとする。彼らの場合、今や誰か1人に偏るのではなく、まんべんなく7人の名前が挙がるだろう。やはり、幅広い年齢層が視聴する『プレバト!!』(TBS系)での躍進は大きかっただろうし(これも、彼ら自身が掴み取った座だ)、ドラマや舞台で主演を張り続ける者もいれば、趣味や特技を武器に、バラエティに進出する者もいる。

 もちろん優劣や順序をつけるわけではないが、「キスマイといえば?」という問いに対し、宮田俊哉の名を挙げる者はきっと、少なくない。「アニメオタク」を公言するアイドルは、当初の注目こそ一時の物珍しさであったかもしれないが、宮田が、揺らぐことなく自身の姿勢を貫き通したことにより、“ビジネスオタク”の域には到底とどまらない本物であることが認知された。今となっては、オタク(同志)に愛され、支持される存在。7人それぞれが得意な分野で支持層を広げてきたKis-My-Ft2だが、宮田が開けた風穴は大きい。

 10年違えば、時代は大きく異なる。けれど宮田はずっと「好き」を貫き通す強さを持つ。母親が大好きだという公言も、いじられ、笑われる時代があった。それが今や、どうだろう。「好き」なことを「好き」と言い、ありのままでいることが、むしろ推奨される時代だ。宮田は、「好き」を貫くことが難しかった時代の人々や同志に、勇気を与えた先進的な存在であったと思う。かつてはいじられることも多かったように思うが、今では必要とあらばオチを引き受ける。心の広さとサービス精神がさらに育ったのだろう。

 自身もオタクだからこそ、ファンが喜ぶことをよく知っている。いつもファンを楽しませることに敏感で、積極的だ。それもまた、相手の気持ちを思いやれる宮田ならではの資質。姫(ファン)が見たい自分をよく分かっており、それでいて「自分がやりたいこと」のビジョンもしっかり抱いている。宮田と姫たちは、まるで導かれたかのように需要と供給が合致しているように思える。だから双方とも、いつも楽しそうだ。

 なかでもソロ曲やユニット曲で、自己プロデュースの上手さと楽しむ姿勢は顕著に表れる。「僕だけのプリンセス」ではショーアップされたステージを見せ、玉森裕太とのユニット曲「星に願いを」ではストーリー性の高い楽曲に没入し、演じきる。バラエティでの宮田しか知らない者は、パフォーマンスで見せる彼の表情に驚くだろう。ときに挑発的な顔ものぞかせ、バラードでは真剣な瞳で語り、ジャズ系のしなやかなダンスには情感がこもる。

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