風男塾、最後までとびきりの笑顔咲かせた紅竜真咲卒業公演 ノンストップで届けたエンターテインメントショーを観て
本編後半には、真咲の卒業前最後のシングル曲である最新曲「BLESS」も披露された。MVではシリアスなアクションシーンに挑戦していた彼らだが、ステージ上で時折アイコンタクトを交わす表情はじつに優しい。落ちサビでは安定感のある歌声が魅力の関汰を筆頭に、アラン、真咲、凛空、橙摩、雅のエモーショナルなボーカルリレーが繰り広げられ、先輩・後輩の壁を越えて固く結ばれた6人の絆を伝えた。真咲が〈何処にいたって背中は押してやる〉と歌いながらそっと橙摩の背中に触れた次の瞬間、『風男塾LIVE 2021~Together.Forever...~』の時はまだ“勇気づけられる側”として背中を押されていた凛空が、誰よりも高く拳を突き上げながら〈落っこちたって引っ張り上げてやる〉と心からのエールを送る。そうやってお互いに元気を分け合って歩んできた彼らだからこそ、「笑う門に明日は来る」のようなメッセージソングがよく似合うのだろう。続けて歌った「太陽みたいなキミが好き」も、グッと涙をこらえて手を振る6人の映像に「おれもー!」という相思相愛のコメントが重なり、心温まるフィナーレとなった。
「みなさん、アンコールありがとうございます! ここから、俺達の新しい幕開けのスタートだ!」
真咲の豪快な開幕宣言から始まったアンコールの1曲目は、やはりこの曲「新たなる幕開けのための幕開けによる狂詩曲~キミがいればオレたちも笑顔∞~」。風男塾の真骨頂とも言えるエンターテインメント性の高い楽曲が、会場だけでなく画面越しに見守る風王にも元気を手渡していく。曲中に「俺ってイケメンだよね?」と問いかけるパートでは、天真爛漫な橙摩の「真咲くん、顔面国宝ですねー!」に対して「いやまだこれからや」と恥ずかしそうに笑う、照れ屋な真咲。関汰が歌う「ハイハイ準備して~!」も、以前インタビューで「自由人揃いでワチャワチャした風男塾をまとめられる存在になれたらいいなと思っています」(※1)と語っていた彼の真面目な人柄を物語っていた。
17曲を終えたところでようやく迎えたMCタイムでも、楽屋トークのようなラフなやりとりを繰り広げるメンバーたち。「じつは両足つってます!」と明かした真咲と、すぐさま彼の足をマッサージをしようと群がるメンバーの姿に、笑いと心配が込み上げる。特に、直前まで高い歌唱力でメンバーを引っ張ってきた雅の可愛らしいギャップには、真咲も風王も癒されたようだ。しかし、「この曲で永遠の愛を俺とキミで誓えたらいいなと思います」と言い添えると、6人はシンフォニックなウェディングソング「マリー・ユー!」を初披露。最後はパンキッシュな「Bye-bye PAIN」で、紅竜真咲はもちろん、メンバー一人ひとりも新たな世界の幕を開けたのだった。
「以上、風男塾でした! それでは最後に……風っばーい!」
メンバーと共に最後の挨拶をした真咲は、1人ステージに残り、風王への想いを改めて語る。「可能性はどんな時でもどんな人でもどんな環境でも無限大ということを風男塾が教えてくれました。これから俺たちは別々の道を歩むことになりますが、風男塾で学んだこと、人を元気にするということ、そして勇気を持って一歩前に進むことの大切さ、それを胸に刻んでこの5年間の集大成にしたいと思います。5年間、本当にありがとうございました!」。そして、風男塾で過ごした5年分の愛を叫び、深く一礼。「またねー!」と力いっぱいに手を振る真咲の顔には、最後の最後までとびきりの笑顔が咲いていた。
※1:https://realsound.jp/2022/01/post-942568.html