『BLESS』インタビュー
風男塾、攻めの姿勢を貫いた『BLESS』を語る 紅竜真咲の卒業とこれからへの思いも
男装ユニットのパイオニアとして活躍する6人組グループ風男塾が、2022年2月9日、ニューシングル『BLESS』をリリースした。今作は2月17日に卒業を迎える紅竜真咲のラストシングル。仲間との絆を胸に突き進む姿を描いたロックチューン「BLESS」のほか、グループ史上初のウェディングソング「マリー・ユー!」、彼ららしい遊び心が光る勉強ラップ「ハピスク」が収録されている。卒業の寂しさを吹き飛ばすように、攻めの姿勢を貫いた最新作について、いつも元気な6人に思う存分語ってもらった。(斉藤碧)【記事最後にプレゼント情報あり】
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お互いに「頑張ろう」って言い合える関係性を築けた
――最新シングル『BLESS』は、最年長としてグループを引っ張ってきた紅竜真咲さんが参加する最後の作品となります。表題曲「BLESS」には真咲さんの人柄や生き様が投影されているように感じましたが、ご自身はこの曲を受け取った時にどんな印象を受けましたか?
紅竜真咲:今まで先輩方が卒業される時に出してきたシングルは、優しく背中を押すような爽やかな曲が多かったと思うんですよ。色で例えるとしたら白っぽいイメージ。だから、今回もそういう方向性の曲が来るのかと思っていたんですけど、デモを聴いたら、俺達はこれから戦いに行くのか!? みたいな力強いロックチューンで驚きました(笑)。だけど、自分でも、俺は「BLESS」みたいな情熱的な人間だなって思うし。「後は任せたよ!」って自分の想いをみんなに託して去っていくんじゃなくて、「戦う場所は変わるけど、それぞれ、もがいて明日を掴んでいこうな!」ってお互いにエールを送り合う感じも、すごく俺達らしいなって感じましたね。良い意味で先輩後輩という枠を越えて、お互いに「頑張ろう」って言い合える関係性を築けたんだなと、この歌詞を読んで思いました。
――他のメンバーもそれぞれ、この曲に込めた想いを教えてください。
柚希関汰:サビで何度も〈この出会いにこそ祝福を Bless!!!〉と歌っている通り、本当に真咲くんと出会えてよかったなと思いますね。一見強気な歌詞なのに、卒業していく真咲くんへの感謝や俺らの絆が随所に散りばめられていて、歌詞を読めば読むほど、曲を聴けば聴くほど、良い歌だなって感じてもらえるんじゃないかと思います。その中で俺が力を入れたのは、Dメロの〈不確かな世界の中にいて/俺らは確かなもの手に入れた〉のところ。ここは「涙がウルッてなる感じで、エモく歌ってほしい」ってディレクターさんに言われて、かなり苦戦しながらも、納得いくまで録り直しました。ライブでは、風男塾に入って唯一無二の存在になった真咲くんのことを思いながら歌っています。
神那橙摩:Dメロの〈夢の果てで また会おうぜ〉は、俺も何度も録り直しましたね。次の〈笑え 今はただ〉を歌っている雅にバトンを渡すように、めちゃめちゃ熱を込めて歌いました。あと、俺は真咲くんの芯の強いところがカッコいいなって、常々思っているんですけど、「BLESS」の歌詞を読んでいると、真咲くんのまっすぐなところやちょっと不器用なところ、メンバー一人ひとりに向けた深い愛情が伝わってきて、ジーンとしますね。またひとつ、大好きな歌が増えました。
偉舞喜雅:俺は2Aの〈託すも託されるも悪く無えけど〉を歌ってるんですけど、ここはキーが低いので、言葉に感情を乗せにくくて。どうやって歌ったら、歌詞がちゃんと届くのか? どういう歌い方が自分らしいのか? 悩みながら何回も録りました。逆にDメロの〈笑え 今はただ〉は目立つところではあるんですが、声を張り上げるので感情を乗せやすくて、Aメロよりも歌いやすかったですね。Dメロは関汰から順に1人ずつ歌っていって、だんだん盛り上がっていくので、歌っていても気持ちがいいし、好きなところです。
葉崎アラン:俺は1Aの〈感傷的な感情も嫌いじゃねえ〉というフレーズを歌っているんですが、個人的に、歌い出しは曲の掴みになるところだからすごく大事だと思っていて。雅くんも言ったようにAメロは低いキーですし、普段高いパートを任されることが多い俺としては、挑戦的なレコーディングになりました。囁き声になるくらい低い音域なので、そこで力強さを表現するのは難しかったです。でも、完成した音源を聴いたら、自分がイメージした通りの歌声になっていたので、風王(ファン)のみんなにも俺が込めた想いを感じ取ってもらえたらいいなと思います。
――歌い出し、ライブだと緊張しそうですね。
葉崎アラン:緊張します。歌い出しは音数が少なくて、ドラムだけが入っているようなオケなので、ここでリズムを狂わせるわけにはいけない! みんなを巻き添えにするわけにはいかない!っていう心情でいつも歌ってます(笑)。
――凛空さんはいかがですか?
英城凛空:俺、真咲くんって、頭の回転の速さと言葉の説得力がすごい人だなって思うんですよ。
神那橙摩:うんうん。パフォーマンスの見せ方も憧れるけど、そういうところもカッコいいよね。
紅竜真咲:ねえ、さっきから何!? 恥ずかしいんだけど!(照笑)
英城凛空:あははは。その言葉の強さが、〈何処にいたって背中は押してやる〉〈落っこちたって引っ張り上げてやる〉っていう落ちサビ(Dメロ)に出ているなと思いました。ここの歌詞は真咲くんと俺がそれぞれ歌っているんですけど、頼もしい感じが真咲くんっぽいなって思うし、俺もその想いを受け継いで、風王のみなさんに向けて歌っています。俺が歌っている〈落っこちたって引っ張り上げてやる〉のところは、振付も拳を突き上げる動きをしているので、ライブでは振付にも注目してほしいです。
――長身の凛空さんがその動きをすると、かなり高いところまで連れてってくれそう。
英城凛空:任せてください(笑)! 真咲くんが卒業した後も、風王のみんなが元気のない時は俺達が全力で引っ張り上げる、そんな頼れるグループになります。
紅竜真咲:おお~~!
神那橙摩:前作「生きることは尊いに決まってんだろ」はマイクスタンドを前にして歌っているんですけど、「BLESS」は手も足も使って全身で踊っているので、頼もしい俺達を感じてもらえるダイナミックなパフォーマンスになったんじゃないかなと。それでいて、〈この出会いにこそ祝福を Bless!!!〉ではセクシーな手振りもあったりして、少し大人になった風男塾もお見せできるんじゃないかなと思います。
――MVではアクションにも挑戦されましたが、雅さん、撮影してみていかがでしたか?
偉舞喜雅:それ、俺に聞いちゃいます……?(一同笑)
――かなり複雑なことをやっていたから、てっきり得意なのかと思ったのですが。
偉舞喜雅:全然、アクション初挑戦でした。それなのに、撮影前に指定されたアクションが、前に蹴って、後ろ蹴りをやって、裏拳も……みたいな複雑な動きだったんです。そんな一気に言われてもできないですよ! しかも、先生にめちゃくちゃ怒られたし!(一同笑)
葉崎アラン:俺も。一番簡単なアクションだったけど、上手くできなくて怒られました(しょんぼり)。しかも、次の橙摩くんの撮影を見てたら、めちゃくちゃ褒められてたし!
神那橙摩:あはははは!
葉崎アラン:今はもう立ち直りましたけど、撮影後はちょっと自信喪失してました(笑)。
偉舞喜雅:わかる。ここまで苦手なものにぶち当たった経験もあまりないし、言われたことができない自分への苛立ちとか、焦りとか、いろんな気持ちが押し寄せてきたよね。だから、MVで見せている悔しい表情は、演技じゃなくて素の表情です(笑)。
紅竜真咲:良い表情してたよ。俺はむしろ、リアルにもがきながら撮影したからこそ、良い映像になったなって思いますね。敵役をやっつけるメンバー(紅竜真咲・柚希関汰・偉舞喜雅)と、逆にやっつけられるメンバー(神那橙摩・英城凛空・葉崎アラン)に分かれていて、それぞれ技やシチュエーションが違ったんですけど、どのシーンもカッコよく仕上がっていたので。
神那橙摩:真咲くんの背負い投げも、すごくカッコよかったです!
――姿勢が美しくて目を惹きますよね。アクロバットな技で戦っている関汰さんも印象的でした。アクション経験者ですか?
柚希関汰:一応アクションは少しやったことがあったんですけど、「これ、できる?」って言われたのが、全然やったことのない技で。撮影に入る前に、イスを使ったバタフライキックの練習を100回やりました。スタジオの端の暗いところで、延々と1人でやっていたので、「自分は何をしてるんだろう……?」って思いながら(笑)。でも、実際の撮影で、敵役の演者さんの腕に掴まって空中に飛ぶのがめっちゃ楽しくて! 学ぶことも多かったし、個人的にはすごく良い経験になりました。
英城凛空:雅くんとアランには申し訳ないけど、俺も楽しかったですね(笑)。初めてのアクションでしたし、敵に顔を2回蹴られる役で、そのタイミングを合わせるのは難しかったんですけど、俺はまた機会があったらアクションをやりたいなって思いました。
紅竜真咲:2人は得意なことを伸ばしていこう(笑)! でも、このMV撮影を乗り越えたことで、(アーティストとして成長したという意味で)また強くなったんじゃない?
偉舞喜雅:うん、それはありますね。裏拳を100回も練習しましたから! 今後どんな敵が来ても、裏拳で返り討ちにしたいと思います。
紅竜真咲:あ、うん……。そういう意味じゃなかったんですけど、成長はできたみたいです(一同笑)。