KALMAが歌う等身大なメッセージはなぜ響くのか バンドのストレートを投げ込む新曲「ジェットコースター」から紐解く
喜びや希望や光、悲しみや寂しさや影、KALMAはどちらも率直に歌にするバンドだ。メジャーデビューの狼煙となった「これでいいんだ」で〈泣いた日も 笑った日も ぐちゃぐちゃになった日も/全部を抱きしめる〉と歌っているように、あるいはバンドとしての信念を強く込めた「希望の唄」で〈ゆらゆら揺らいで 不安で寂しくて/でも 泣きそうになりながら笑う そんな優しい君に〉と歌っているように、「ジェットコースター」でも畑山は〈迷い〉や〈暗い夜〉という言葉を使って、それこそジェットコースターのように浮き沈みしながら前に進んでいく人の心をありのままに描く。
その上で、心に残っている〈どっかで聴いた フレーズ〉が気持ちを前に向けてくれるように、自分たちも〈決して上手くはないけれど でも いつまでも消えないように/強く描き続けるよ 暗い夜の そのあとの 暗い朝に光を〉と歌うのだ。〈決して上手くはないけれど〉という正直さと〈強く描き続けるよ〉という強い意思、それがKALMAというバンドが持つ最大の力だと思う。耳心地のいい美辞麗句でも、扇動的なアジテーションでもなく、等身大のロックバンドから等身大のあなたへのメッセージソング。だからこそ彼らの歌は心に響くし、結果的にそれを聴いた人の年齢や性別や置かれた状況を問わず、いつだって背中を力強く押す。実際に彼らのライブに行くと観客の年齢層の幅広さに驚くが、それは彼らの音楽が、本当の意味で普遍的な魅力を持っていることの証だ。
この曲のサビは〈明日を迎えにいこう〉という力強い言葉で終わる。だがその前では〈それぞれの明日〉とも歌われている。牛角のCMでは、さまざまな人が日々を生きる様子を映し出した映像とともにこの曲が流れていたが、まさにそうやって「それぞれの」日常のすぐそばでさりげなく、すべてを受け止めるようにしてKALMAの音楽は鳴っている。〈僕ら 同じ空の下で それぞれの明日を夢見てる〉というフレーズは、バンドのスタンスを明快に物語っているものだ。あるいは今回のジャケットワーク。渋谷のスクランブル交差点が砂漠になって、そのど真ん中にオアシスが描かれている。ときには砂漠を歩くような人生でも、オアシスを見つけることができる。そのオアシスに俺たちはなる、KALMAはそう言っているのではないかと思う。
KALMAから届いた新たなど直球、それが「ジェットコースター」だ。この曲をきっかけに、KALMAの名前と音楽がひとりでも多くの人に届いたら素晴らしい。日本の津々浦々、老若男女、彼らの音楽を待っている人は、まだまだたくさんいるはずだ。
■リリース情報
KALMA「ジェットコースター」
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