愛美×大塚紗英が見せたPoppin'Partyの日常 新鮮さな魅力に溢れたアコースティックライブを観て

愛美×大塚紗英が見せたポピパの日常

 『BanG Dream!』シリーズの新たな試みとして10月から行なわれた『香澄とたえの放課後居残りツアー』。同公演が11月17日、KT Zepp Yokohamaで最終日を迎えた。ここでは昼夜2部構成で行なわれたツアーのラストとなる、17日の夜公演をレポートしたい。

 このツアーは、Poppin'Partyの一員として知られる戸山香澄役の愛美と花園たえ役の大塚紗英が、過去のリアルライブやイベントの一部で披露して好評を博していたアコースティックコーナーを独立させ、全編2人だけ、アコースティック演奏でのライブに臨む特別なツアー。10月の大阪公演、11月上旬の愛知公演に続き、最終日は神奈川での開催となった。

 ステージ上には黒板や机、イス、引き戸など見慣れた学校の教室を再現したセットが用意され、黒板には当日の日付などが書かれている。ステージには夕暮れを思わせるオレンジの照明が当たっており、ツアー名通り放課後の学校を再現するかのようだ。机と椅子は5人分用意されていて、Poppin'Partyのメンバー全員を連想させるような雰囲気になっている。

 まずはそこに、香澄&たえを演じながら愛美と大塚紗英が登場。2人の会話から、今日中に補習がまだ4つ残っていることが明かされる。実はこの公演は、補習と称したクイズ&バラエティコーナーと、2人によるアコースティックライブが交互に登場する形式なのだ。

 まずは2人が顔を見合わせながら、出会ったばかりのこと、家庭科の時間に初めてギターを弾いたことなどを思い返すと、大塚紗英がしっとりとギターを弾き始め、「香澄、この歌える?」「もちろん!」という会話を交わして「キズナミュージック♪」がスタート。〈教室の窓の外/はしゃぐ声〉という歌い出しが放課後の風景とマッチする中で、一番の終わりからは2人の演奏が重なり、バンド編成とは違うゆったりとした雰囲気のライブがはじまる。

 続いて、「『香澄とたえの放課後居残りツアー』へようこそ!」と告げると、「社会の補習」が開始。補習コーナーでは、2人がご当地にまつわる問題に挑戦し、勝者にはその土地に関係のあるご褒美がプレゼントされる。出題者はPoppin'Partyのメンバーから日替わりで登場し、この日は市ヶ谷有咲役の伊藤彩沙がナレーションを担当。横浜市歌の歌詞を書いた小説家や、明治5年に開業した初代横浜駅の現在の駅名など、横浜にまつわる問題が出題された。結果はどちらも全問不正解。兵庫県出身の愛美だけでなく、神奈川出身でデビュー前に横浜駅で路上ライブをしていた大塚紗英も全問不正解とあって会場が盛り上がった。

 また、MCでは大塚紗英が「キズナミュージック♪」の途中でむせていたことを明かし、愛美も心配していたことを告げるなど、バンド形式での公演以上にリラックスしたムードが会場を覆っているのもこの日ならでは。2人がお互いに呼吸を合わせながら演奏する様子や、会場のまったりとした雰囲気が、いつも以上に親密な魅力を生んでいたように思う。

 以降はスクリーンに月が映し出されて一旦照明が夜仕様になり、パワフルなアコギのストロークで聴かせた「Moonlight Walk」や、「クラップユアハーンズ!」という掛け声で観客からクラップが生まれた「Hello! Wink!」を続けて披露。どちらも緩急をつけた演奏によって、メロディや歌詞そのものの魅力がよりダイレクトに伝わってくるような雰囲気だ。

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