新譜連載「本日、フラゲ日!」
Snow Man、King Gnu、YOASOBI、MISIA、ケツメイシ……12月1日リリースより新譜5作をレビュー
まるで20世紀のスタンダードのような夢見心地のイントロから一転、ディスコティックかつクラシカルなポップスに展開し、〈希望を いま 解き放て〉というラインを響かせるオープニング曲「Welcome One」、70年代後半のシティポップを現代的なダンストラックへと昇華したサウンド、〈Hello Hello 未来へ 心にL.O.V.E.ラヴ!〉とメッセージするタイトルトラック「Hello Love」。冒頭の2曲を聴いた時点で、豊かな音楽性と前向きなパワーがガッツリと伝わってくる。さだまさしの提供による「歌を歌おう」、川谷絵音とのコラボ曲「想いはらはらと」、藤井風の作詞・作曲による「Higher Love」などの話題曲を満載した3年ぶりのオリジナルアルバム『HELLO LOVE』でMISIAは、シンガー/メッセンジャーとしての存在感をさらに強く押し出してみせた。現代的なテーマをカラフルに表現した、2021年の“What’s Going On”と称すべき充実作だ。(森)
精神的に追い込まれたら、ケツメイシを聴く。そんなライフハックだけで人はもっと楽に生きられるのだと、教科書か何かにあらかじめ書いておいてほしい。ケツメイシの新アルバム『ケツノポリス12』は、彼らの独特なスムースさがありつつもレゲエ由来のフックのある陽気さを感じられる一作に。『第101回全国高校ラグビー大会』テーマソングに起用された「走り続けた日々」こそ、やや力強い側面を押し出しているものの、ミドルテンポのポップス「青空」や浮遊感あるギターの「小さな幸せ」など、彼らが“継ぎ足し方式”で築いてきた日本人に親しみやすいメロディエッセンスは、苦しい場面ですぐに心の柔らかい部分に入り込んでくる。今作もまた、どこかで誰かの心を癒すことだろう。(一条)
(※1)https://realsound.jp/2021/10/post-888250.html