今のGLAYが間違いなく“ベスト”ーーツアーで見つけた3つの意味、「汚れた英雄」が呼び起こした可能性

GLAY『ハイコミ GLAY-complete BEST』レポ

 30周年のアニバーサリーを終えたGLAYは今、どんなモードで音楽と向き合っているのか。そして、どこに進もうとしているのだろうかーー。

 5月26日に開催された『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2026 "GLAY-complete BEST"』東京公演で4人は、その答えを明確かつダイレクトに示してみせた。“あえてコンセプトを決めず、自由度の高いライブパフォーマンスを行う”というテーマのもと2003年から不定期に開催しているツアー『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR』。3年ぶりの開催となった今回は、最新曲、未発表曲、代表曲、初期の楽曲を織り交ぜた、まさに“GLAYの最新BEST”と称すべきステージを体現したのだ。

TAKURO「おめでとうという言葉が身に沁みる年齢になりました」

大きな拍手と「おめでとう!」の歓声が響き渡るなか、TERUが戻る。「32年経ってもこうやって笑顔でいてくれる。たくさんの感謝と愛を込めて、一人ひとりに贈りたいと思います」という言葉から始まったのは「HOWEVER」。数えきれないほど演奏されてきたこの曲に新たな思いを刻み、大きな感動へと結びつける。スケール感と情緒性を兼ね備えたボーカルも印象的だった。ここ数年、シンガーとして明らかな向上を続けているTERU。“いつも今がBEST”という状態を続けるGLAYにとって、彼のボーカリゼーションが大きな推進力になっているのは間違いないだろう。

 シンフォニックなSEとともにTERU(Vo)、JIRO(Ba)、TAKURO(Gt)、HISASHI(Gt)とToshi Nagai(Dr)、村山☆潤(Key)が登場。昨年12月リリースの最新シングル表題曲「Dead Or Alive」でライブは幕を開けた。さらに超アグレッシブなロックサウンドが突き刺さる未発表曲「EXOFIRE」、1994年のインディー1stアルバム『灰とダイヤモンド』収録曲「千ノナイフガ胸ヲ刺ス」へ。“現在と過去を行き来しながら現在進行形のGLAYを魅せたい”という意図が真っ直ぐに伝わってきた。

『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2026 "GLAY-complete BEST"』(撮影=岡田裕介)
TERU(Vo)(撮影=岡田裕介)

 TERUがマイクを通さず生声で「ただいま! 楽しもうぜ!」と挨拶した後は、「サバイバル」「口唇」と90年代のアンセムを続け、最新シングル収録曲「Unleashed feat. 安達祐人」に繋げる。TERUが作詞曲を手掛けたこの曲は、〈君〉と繋がっていたいという切実な願い、〈正解はないこの先にある未来〉へと思いを馳せるナンバー。TERUの視線の先にあるのは間違いなく、GLAYをサポートし続けるファンの存在だ。ロックバンドとしてのダイナミズムを生々しく描き出すアンサンブルも強烈。成熟を拒否するようなメンバーの演奏もまた、このツアーの充実ぶりに直結していた。

 イヤモニの調整のためバックステージに下がったTERUに代わり、この日が誕生日のTAKUROが観客に向かって語りかける。

「おめでとうという言葉が身に沁みる年齢になりました。何よりもその言葉は、30周年を無事に終えて、今回のツアーもここまでたどり着いた、僕らとスタッフにかけてもらっているんだと思います」

『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2026 "GLAY-complete BEST"』(撮影=岡田裕介)
TAKURO(Gt)(撮影=岡田裕介)

 大きな拍手と「おめでとう!」の歓声が響き渡るなか、TERUが戻る。「32年経ってもこうやって笑顔でいてくれる。たくさんの感謝と愛を込めて、一人ひとりに贈りたいと思います」という言葉から始まったのは「HOWEVER」。数えきれないほど演奏されてきたこの曲に新たな思いを刻み、大きな感動へと結びつける。スケール感と情緒性を兼ね備えたボーカルも印象的だった。ここ数年、シンガーとして明らかな向上を続けているTERU。“いつも今がBEST”という状態を続けるGLAYにとって、彼のボーカリゼーションが大きな推進力になっているのは間違いないだろう。

 ノスタルジックなメロディが聴く者の背中を押してくれる「HELLO MY LIFE」を挟み、未発表曲「5月のhide」へ。あまりにも率直な曲名の通り、この楽曲で表現されているのは、1998年5月に33歳でこの世を去ったhideに対する思い。切なさと解放感が同時に広がるなか、“あなたのいない世界”を描き出す4人。30年近く経ってこの曲を生み出し、いち早くライブで披露したメンバーの意図とは一体何なのか? それはおそらく、来るべきニューアルバムの中で示されるはずだ。

『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2026 "GLAY-complete BEST"』(撮影=田辺佳子)
HISASHI(Gt)(撮影=田辺佳子)

 ここで「グロリアス」「SOUL LOVE」と再び90年代の大ヒットチューンを惜しげもなく連発。オーディエンスは身体を揺らし、手を挙げ、サビのフレーズを合唱し、GLAYにエールを送る。もちろんノスタルジーもあるだろうが、アレンジやフレーズに磨きがかかり、“今”のGLAYとしての表現の強さが強く伝わってくる。自分たちのライブにおいて、ただ懐かしさだけを楽しむことはあり得ないーー4人の演奏からは、そんな意思が確かに感じられた。

『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2026 "GLAY-complete BEST"』(撮影=田辺佳子)
JIRO(Ba)(撮影=田辺佳子)

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