JI BLUE「景色」バイラルヒット ファンダムを超えた熱狂と共鳴、JO1の“開放感”とINIの“推進力”
Viral Hits Focus
話題のバイラルヒット曲を毎週収録するSpotifyによる日本向けエディトリアルプレイリスト「Viral Hits Japan」(※1)。同プレイリストより、本記事ではJI BLUE「景色」をピックアップする。
2026年のサッカー日本代表応援プロジェクト「最高の景色を2026」のために結成されたJOIとINIのスペシャルユニット、JI BLUE。メンバーは、JO1から與那城奨、白岩瑠姫、河野純喜、佐藤景瑚、川西拓実、金城碧海、INIから西洸人、田島将吾、髙塚大夢、後藤威尊、佐野雄大、池﨑理人の12人。国内トップクラスの人気を誇る2グループから選抜されたメンバーが集結したこともあり、発表直後から注目を集めていた。5月31日には、東京・MUFGスタジアム(国立競技場)で開催された日本対アイスランド戦の試合前に同曲を初めてパフォーマンスし、大きな話題となっている。
「景色」は、☆Taku Takahashi(m-flo)が作詞曲を手掛けた、軽快なビートと透明感のあるシンセサウンドを軸にしたアップテンポのポップチューン。歌詞では、仲間と“同じ景色”=“最高の景色”=へ向かう高揚感、そして己を鼓舞する気持ちを表現している。また、歌い始めの〈Wow-oh-oh-oh〉というシンガロングを前提としたコーラスや、楽曲の途中で繰り返される「Hey!」「Ho!」という掛け声など、観客を巻き込むフックが随所に取り入れられているところも興味深い。さらに〈夢を現実に〉〈一緒に見たいその景色のために〉というフレーズは、オーディション番組をきっかけに投票によって選ばれ、仲間とともにここまで戦ってきた彼らが歌うからこそ、自分の言葉になる。そしてこの背景は、幾多の名選手の中から選ばれて日の丸を背負っている日本代表選手の背景にも重なるのではないだろうか。
この楽曲の再生数や話題性を支えている最大の要因は、サッカーファンと、JO1とINIそれぞれの巨大なファンダムの影響もあるはずだ。だが、「景色」を聴いてみると、それだけでは説明できない魅力がある。なぜなら、この曲は単なるタイアップソングではなく、JO1とINIが持つボーカルの個性が合体することで生まれた、これまで両グループが見せてこなかった趣があるからだ。
目まぐるしいマイクリレーを聴かせるこの曲で、12人のメンバーは、個性をしっかり出しながらも、言葉を丁寧に前に押し出すような歌い方をしている。平メロなどでは、言葉を流すようなアプローチも登場するが、基本は音の立ち上がりを速くして言葉がしっかりわかるようなアプローチに徹している。これは、選手やサポーターにしっかり歌詞が届くように、意識しているのだと考察する。
さらに興味深いのが、JO1とINIそれぞれのカラーの違いが表れているところ。「景色」の面白さは、JO1の持つ開放感と、INIの持つ推進力が入れ替わりながら登場するところ。ざっくり分類すると、JO1はメロディのスケール感を広げるのに長けたグループ。一方のINIは、ビートやグルーヴとの言葉の一体感を重視するタイプだろう。マイクリレーで、個々のスキルを発揮したキラーパスやノールックパスまでをも鮮やかに繋いでおり、その結果、従来のJO1ともINIとも違う、まったく新しいサウンドが成立している。
加えて印象的なのはコーラスワークである。12人という大人数編成にもかかわらず、厚さよりも広がりを活かしており、それが試合前に空を見上げた時の期待感や高揚感に繋がっている。「景色」には、異なるグループのボーカルが交わることで生まれた、新しい青春ソングとしての魅力があるのだ。12人の声が重なった時に生まれる風通しの良さ。この爽快感こそが、「景色」が描こうとした“最高の景色”の正体なのかもしれない。
※1:https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1DWZZbpkxU5t9L


























