SUPER BEAVER、多くの人の感情を揺さぶる魅力 “あなた”に向けたライブも支持されるポイントに

SUPER BEAVER、感情を揺さぶる魅力

 映画『東京リベンジャーズ』の主題歌「名前を呼ぶよ」でさらにその人気に火をつけたバンド・SUPER BEAVER。同楽曲はサブスクリプションサービスでの総再生回数1700万回を記録し、現在も多くの人に楽曲が聴かれている。このタイアップがきっかけとなり、SUPER BEAVERを新たに知った方も多いだろう。

「名前を呼ぶよ」(SUPER BEAVER)『東京リベンジャーズ』原作コラボMV

 実はバンドとしての活動歴が長い彼ら。2005年に結成され今年で結成17年目を迎える。これまでの道のりは紆余曲折あり、決して順風満帆ではなかった。そんなSUPER BEAVERの軌跡や魅力について紹介していきたい。

10年越しにメジャー再契約を果たしたロックバンド

 SUPER BEAVERはボーカルでフロントマンの渋谷龍太、ほぼすべての楽曲の作詞作曲を担当するギター 柳沢亮太、バンドのリーダーでベースを務める上杉研太、ドラムの藤原”33才”広明の4人で構成される。

 2005年の結成後、2008年までインディーズ時代を過ごし2009年に<EPIC Records Japan>より1stシングル『深呼吸』でメジャーデビューを果たす。表題曲はアニメ『NARUTO-ナルト-疾風伝』エンディング楽曲にも抜擢され、世間に広く浸透した。その後もシングルやアルバムなどをリリースするが、2011年に所属していたレーベル・事務所を離れることになった。

 インディーズに戻った彼らは自主レーベル<I×L×P× RECORDS>を立ち上げ、2013年にはロックレーベル<[NOiD]>の第一弾アーティストとなった。インディーズに戻ったあとも積極的に楽曲リリースを行っていき、全国ツアーや仲間バンドとのイベントにも積極的に出演。年間約100本ライブを毎年のように行ってきた。その勢いで人気を伸ばしていき、ワンマンライブの会場規模も次第に大きくなっていった。各会場でのチケットソールドアウトも続くようになり、ついに2018年4月にはSUPER BEAVERとして初の日本武道館単独公演を実現。チケットは即日ソールドアウトとなった。

 2018年11月リリースのシングル曲「予感」はインディーズながらテレビドラマ『僕らは奇跡でできている』の主題歌に抜擢され話題を呼んだ。2019年11月に兵庫・ワールド記念ホールと、2020年1月には東京・国立代々木競技場第一体育館で初のアリーナ単独公演を開催。その後、結成15周年を迎える2020年4月に<Sony Music Records>よりメジャー再契約を発表。一度メジャーデビューしたもののインディーズに戻り、約10年越しに再びメジャーレーベルへ戻るという異例の発表を行ったのだ。

 メジャーに戻った現在もリリースやライブを精力的に行っている彼ら。2020年12月には予定していた横浜アリーナでのライブを新型コロナウイルスの感染拡大により無観客の配信ライブに切り替えるなど、変わらずファンとのライブの場を大事にしている。2021年2月3日には待望のニューアルバム『アイラヴユー』をリリースし、数々のチャートにランクイン。ドラマ主題歌、CMタイアップなどが続けて決定した。

 そして、冒頭で触れた通り新曲「名前を呼ぶよ」が人気コミックス原作の実写映画『東京リベンジャーズ』の主題歌に抜擢。今年10月から11月にかけて自身最大キャパとなるアリーナツアーを開催するなど、今最も注目のロックバンドである。

“あなた”に向けて歌われるライブの魅力

 彼らの魅力は大きく2つあると考えている。ひとつは日本語にこだわった歌詞だろう。SUPER BEAVERの曲では英語は登場せず、耳馴染みのある日本語で構成されている。そこには複雑な言い回しもない。あまりに歌詞の内容がまっすぐ届くので、はじめて聴いた方はその熱量に圧倒されるかもしれない。ロックサウンドでありつつも爽やかなメロディラインで聴きやすいため、歌詞がストレートに届き、より感情が揺さぶられる。柳沢がほぼすべての歌詞を書いているが、まるで自身が書いたかのようにその歌詞に込められた心情までも把握し、憑依して歌う渋谷の歌声にも惹きつけられる。楽曲の聴きやすさや渋谷の語りかけるような優しい歌声にやや厳つい見た目とのギャップを感じた人も少なくないだろう。

 もうひとつの魅力はライブだ。SUPER BEAVERのライブはまるで自分に向けて歌われていると錯覚してしまうほど、一対一で“あなた”に向けて各曲が放たれる。音楽は人の心に寄り添ってくれるものとよく言うが、彼らの音楽はまさにそれだ。ライブでも会場の全員へ、ではなく“あなた”に歌われる。観客一人ひとりと目を合わせ、直接的に歌われるのでどんな場所にいても距離感を感じさせない。さらに、メンバーや観客も含めたシンガロングはライブに行くたびにとても印象に残る。一対一を感じつつも、ライブの醍醐味である一体感が凄まじいところも大きな魅力だと思う。

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