The Beatles『レット・イット・ビー』スペシャル・エディション徹底レビュー 4人の生々しい姿が刻まれた作品に

The Beatles『レット・イット・ビー』特別版レビュー

 そして<ゲット・バック LP – 1969グリン・ジョンズ・ミックス>とサブタイトルされたディスク4は、本作の目玉の一つ。アップルでのセッションでエンジニアを務めていたグリン・ジョンズが作ったバージョンで、NGが出て発表はされなかったものの、最初のコンセプトである“原点に帰る/スタジオでの姿をストレートに”、という狙いが明確に反映されている。ラフな雰囲気の「セイヴ・ザ・ラスト・ダンス・フォー・ミー」のような楽しいナンバーもあれば、ジョンの「ドント・レット・ミー・ダウン」や「ディグ・ア・ポニー」はかなり気合が入っており、「レット・イット・ビー」「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」は味わい深く、特に後者はこちらバージョンの方が圧倒的に良いように思う。

 原点へ、ということでアルバムジャケットも1stアルバムと同じ場所・シチュエーションで撮られるなど、メンバーがOKさえすればリリースされた可能性も高かっただけに、今回正式に世に発表された意味は非常に大きい。

 そして最後のディスク5は、「アクロス・ザ・ユニバース」「アイ・ミー・マイン」のグリン・ジョンズによるミックスと、「ドント・レット・ミー・ダウン」「レット・イット・ビー」のオリジナルシングル版のニュー・ミックスとなっている。また、Blu-rayは音源のみだがハイレゾ((96kHz/24-bit)やドルビー・アトモス(48kHz/24-bit)・ミックスなどが収録されている。

 リハーサルの音源などをたっぷりと聴けば、作業中のThe Beatlesのスタジオに招かれたらこういう気分なのか、という楽しい妄想も浮かんでくるはず。

 音楽シーンの最前線に常に立ち続け、誰も見たことのない光景の中を前進してきたThe Beatlesが、大きな変化を遂げようとする生々しい1969年の姿を刻印したアイテムの登場は、改めて彼らの決して古くなることのない魅力とドラマを感じさせてくれるはずだ。

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■リリース情報
The Beatles
『レット・イット・ビー』スペシャル・エディション
2021年10月15日(金)世界同時発売

①スペシャル・エディション[スーパー・デラックス]
(5CD + 1ブルーレイ収録)
https://www.universal-music.co.jp/the-beatles/products/uicy-79760/

②スペシャル・エディション[2CDデラックス]
https://www.universal-music.co.jp/the-beatles/products/uicy-16030/

③スペシャル・エディション[1CD]
https://www.universal-music.co.jp/the-beatles/products/uicy-16032/

④スペシャル・エディション[LPスーパー・デラックス]
直輸入仕様/完全生産限定盤
https://www.universal-music.co.jp/the-beatles/products/uijy-75215/

⑤スペシャル・エディション[1LP]
直輸入仕様/完全生産限定盤
https://www.universal-music.co.jp/the-beatles/products/uijy-75220/

⑥スペシャル・エディション[1LPピクチャー・ディスク]
<THE BEATLES STORE JAPAN限定商品>
直輸入仕様/完全生産限定盤
https://www.universal-music.co.jp/the-beatles/products/pdjt-1030/

The Beatles日本公式サイト

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