小野大輔、近藤孝行らVacances”が歌い上げる名曲 声優4人の個性と好みが光るカバーアルバムを聴いて

 菅沼久義、近藤孝行、間島淳司、小野大輔の声優4人が、ゲストを招いて音楽について様々な角度から学んでいくABEMAオリジナル番組『よつば音楽学院』。今年4月に放送された番組最終回で発表されていた4人による新ユニット・Vacances”のカバーアルバム『Vacances”』が、9月28日にリリースを迎えた。収録されているのは、4人それぞれがチョイスした思い入れのある楽曲のカバーと、オリジナル曲1曲。4人の個性と好みが光る、ここにしかないラインナップの1枚が誕生した。ここでは本作の聴きどころをご紹介したい。

 小野大輔が選んだのはレミオロメン「3月9日」、そしてスキマスイッチ「全力少年」。番組内で「“少年”と言っているけど、大人になればなるほど歌詞が刺さる曲」と曲への思いを語っていた「全力少年」は、まっすぐでさわやかな歌詞を突き抜けるように歌い上げる爽快感ある名曲。一方、卒業ソングの大定番「3月9日」は、サビに向けてドラマチックに展開していくバラード。雰囲気の異なる2曲だが、どちらもセクシーでニュアンスのある“小野節”を利かせた小野大輔ならではのカバーに仕上がっている。

【よつば音楽学院🍀夏期講習】菅沼久義、近藤孝行、間島淳司、小野大輔のソロカバー曲を紹介!新ユニット『Vacances"』カバーアルバム発売

 大のアニメ好きで知られる間島淳司は、2曲ともアニソンをチョイス。『機動武闘伝Gガンダム』(テレビ朝日系)のEDテーマ、井上武英「君の中の永遠」と、『仮面ライダー555』(テレビ朝日系)の劇中歌、石原慎一「Dead or alive」だ。

 アニソンの枠を超えたラブソングの名曲としても名高い「君の中の永遠」は、1996年リリースの楽曲だが、そのメロディラインとロマンティックな歌詞は今聴いても色あせない。また、それを歌い上げる間島の爽やかでいて落ち着きのある歌声が非常にマッチしている。「Dead or alive」は、メタリックな質感の音の連なりで、サビに向けてヒートアップしていく。クールな中にも熱さが感じられる歌声に気持ちが掻き立てられ、リピートして聴きたくなる1曲だ。

 間島とは逆に、フジファブリック「若者のすべて」、Zeebra「Street Dreams」というまったくタイプの違う2曲を選んだのが近藤孝行。珠玉の名曲「若者のすべて」では、フラットな立ち上がりから徐々に切なさが募っていく、原曲の魅力を忠実に歌い上げる。一方、アグレッシブさが際立つ「Street Dreams」では荒々しく迫力あるフロウを披露。番組内でもヒップホップ好きを公言していたとおり、実際のラップでも見事なポテンシャルを発揮してみせた。また、原曲では冒頭で〈俺がZeebra〉と歌っているのを、〈俺らVacances”〉とアレンジしているのも、今回の企画ならでは。2曲併せて聴くことで、近藤の表現の振れ幅の広さを味わえるチョイスとなっている。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる