BE:FIRSTがバイラルチャート首位獲得 急速なファンダム増加、世界へ羽ばたくストーリーの幕開け

 バックグラウンドを全く知らずに「Shining One」を初めて聴いたときに感じたのは「m-floの新しいプロジェクトだろうか?」という印象。このファーストインプレッションは間違っておらず、作曲にクレジットされていたのは、m-floのメンバーでDJの☆Taku Takahashi。2ステップやドラムンベースといったm-floでもおなじみのアプローチが昇華されたサウンドは、複数のボーカルの個性を引き出し、パフォーマンスグループの楽曲らしいグルーヴ感を生み出している。音域のアップダウンが激しい歌唱パート、タイトなラップパート、集中力を切らさないダンスパートで相乗効果を生み出し、ひとつの楽曲に結実させる手腕はさすがのひとこと。細かい部分に目を向けると、イントロから登場するボーカルにエフェクトをかけシンセサイザーのように奏でられた独特なサウンドは、Skrillex & Diplo「Where Are Ü Now with Justin Bieber」がリファレンスとなっているかのようにも感じる。他にも、ところどころでアクセントになっているSE(効果音)は、クレイグ・デイヴィッド「Rewind」のような遊び心が心憎い。

 SKY-HIが手がけた歌詞は、SKY-HIからBE:FIRSTメンバーに向けて贈られた言葉であるという(※1)から、オーディションも含むこれまでのストーリーも立ち上がり、感情を揺さぶられずにはいられない。例えば〈運命からの招待/ただ待ってた訳じゃない/Now or never, make it happen〉といったオーディションへのエントリーを想起させるラインや、〈I’ve never seen it こんな景色初めてさ〉のようなステージに立ったときの感動を描写したようなラインは、今のBE:FIRSTを映し出すドキュメンタリーのようである。

 BE:FIRSTは、まだ自分たちのストーリーを歩み始めたばかりだが、その意識は高く、足取りは力強い。そして、着々と拡大するファンダムも彼らの歩みを加速させるはずだ。プレデビュー曲「Shining One」を起爆剤として大きく羽ばたき、世界で活躍できる日もそう遠くないだろう。

※1:『TCY Radio』(block.fm)8月20日放送分

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