Sexy Zone「夏のハイドレンジア」、上白石萌音「告白」……秦 基博、人と作品に寄り添った数々の提供曲

Sexy Zone「夏のハイドレンジア」は極上のミディアムバラード

 一方、ジャニーズアーティストの楽曲提供も多い。2014年に山下智久のミニアルバム『遊』のリードトラック「HELLO」で作詞を担当したほか、2016年にV6の46枚目のシングル表題曲「Beautiful World」で作詞・作曲を手がけた。

V6 / Beautiful World

 「Beautiful World」は、V6のメンバーである井ノ原快彦が出演したドラマ『警視庁捜査一課9係』の主題歌。秦は作詞・作曲だけでなくコーラスとギターでもレコーディングに参加し、同曲はV6と秦による初のコラボ楽曲になった。タイトルが意味する通り、優しく温かいメッセージが込められた楽曲で、スケールの大きなバンドサウンドが実に心地よく響く。V6の持つハッピーなオーラと秦による人の胸を打つメッセージ性が融合した、時代を経ても色あせない楽曲だ。

 そしてこの夏は、Sexy Zoneの「夏のハイドレンジア」で作詞・作曲を手がけた。同曲は、Sexy Zoneのメンバーである中島健人と小芝風花のW主演ドラマ『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ系)の主題歌として、すでに大きな反響を呼んでいる。

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 同曲について秦は「脚本を読ませていただいてから、この曲を作りました。ハイドレンジア=西洋アジサイ。雨の中、季節を越えて懸命に咲く花のような『君』と、それを見つめる『僕』の想いを歌にしました。そして、それがSexy Zoneの皆さんの歌声の重なりによって、真っ直ぐで、等身大のラブソングになっていると思います」とコメント(※2)。中島も「Sexy Zone史上究極のラブソングに出逢えた気がします」と、同曲に背中を押されながら撮影したことも明かしている。美しくメランコリックなメロディラインと、アコースティックギターをメインにしたドラマチックなサウンド。Sexy Zoneのボーカルも儚く色気があり、極上のミディアムバラードに仕上がっている。

Sexy Zone 「夏のハイドレンジア」 (YouTube Ver.)

 秦 基博の唯一無二の音楽は、楽曲提供でも変わらぬ存在感を放っている。モノクロから色彩豊かに変化していく、見事なグラデーションの表現。巧みな情景描写は普遍性があり、どんな人でも同じ絵を想像し共感し合うことができる。人に寄り添い、作品と融和しながら、そこはかとなく感じられる秦 基博らしさ。他者への広くて大きな深い愛があるからこそ生まれた名曲の数々だ。

※1:https://gaga.ne.jp/kuchibiru/
※2:https://www.ktv.jp/kanokire/news/news0609/

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