Sexy Zone「夏のハイドレンジア」、上白石萌音「告白」……秦 基博、人と作品に寄り添った数々の提供曲

 11月にデビュー15周年を迎える秦 基博。8月4日にリリースされるSexy Zoneのニューシングル曲「夏のハイドレンジア」を作詞・作曲しているほか、これまでに大原櫻子の「マイ フェイバリット ジュエル」や上白石萌音の「告白」、V6の「Beautiful World」など、数多くの楽曲提供を行っている。「ひまわりの約束」など心温まるバラード楽曲でお馴染みの秦は、楽曲提供でも才能をいかんなく発揮。彼が楽曲提供を行ったアーティストと楽曲を振り返り、その魅力を改めて考える。

人と作品に寄り添った楽曲制作で生み出される名曲の数々

秦 基博『evergreen

 秦 基博は、2006年にシングル『シンクロ』でメジャーデビュー。繊細で透明感がありながら力強さを携えた歌声は、“鋼と硝子でできた声”と評された。2014年には映画『STAND BY ME ドラえもん』で主題歌「ひまわりの約束」を手がけミリオンヒットを記録し、同曲を収録した弾き語りベストアルバム『evergreen』は、第56回日本レコード大賞企画賞を受賞した。

 唯一無二の音楽はクリエイターからも注目され、映画『君の名は。』で知られる新海誠監督の映画『言の葉の庭』イメージソング「言ノ葉」やEDテーマ「Rain」(原曲は大江千里)、河瀬直美監督の映画『あん』主題歌「水彩の月」を筆頭に、『天空の蜂』『聖の青春』『ステップ』など注目映画の主題歌をいくつも担当。NHK連続テレビ小説『おちょやん』主題歌「泣き笑いのエピソード」でも話題を集めた。

秦 基博 - 「泣き笑いのエピソード」Music Video

 2019年に公開された映画『さよならくちびる』では、W主演を務めた小松菜奈と門脇麦による劇中ユニット「ハルレオ」が歌う主題歌「さよならくちびる」の作詞・作曲・プロデュースを担当した。

ハルレオ - 「さよならくちびる」 Music Video

 秦は、「最初に頂いた脚本にあった『さよならくちびる』という塩田監督の言葉を元に、小松菜奈さん、門脇麦さんの演じるハルレオの声、この映画の世界をイメージしながら曲を書きました。今回、お二人とレコーディングさせて頂きましたが、お二人の、飾らない真っ直ぐな歌声によって『さよならくちびる』という曲は完成するのだと改めて感じました」とコメント(※1)。アコースティックギターの弾き語り調で始まるサウンドや、孤独な夜に二人で寄り添いながら朝を目指すといった歌詞の情景描写が、実に秦らしいと思える楽曲。ハルレオの二人のボーカルも初々しく透明感があり、ピュアな世界観が表現されている。

 冒頭で触れたように、ほかにも実に多彩なアーティストへの作詞や楽曲提供を行ってきた。一青窈のシングル『受け入れて』のカップリング曲「空中ブランコ」、花澤香菜のシングル『ざらざら』の表題曲(作曲)。上白石萌音の「告白」や、大原櫻子のシングル曲「マイ フェイバリット ジュエル」など(作詞・作曲)。上白石にとって憧れのアーティストであった秦 基博からの楽曲提供は、彼女の音楽活動のモチベーションの一つになったそう。「告白」を収録したアルバム『and…』リリース当時に、筆者がインタビューした際は「完全に女性目線の曲で、私の声やお会いしたときの印象で書いてくださった。自分もこの歌詞のように、人に気持ちを素直に言うのが照れくさくなってしまうタイプ。初めて聴いたときは、自分のことを言い当てられたようで、ドキッとしました」と語った。透明感のある上白石の歌声に、彼女の見事な表現力が加わり、一人の少女の思いを鮮やかに浮かび上がらせる楽曲になった。

告白

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