ぜんぶ君のせいだ。个喆はなぜポジティブを貫くのか グループを渡り歩いて磨かれた“強かな反骨精神”

ぜん君。个喆、ポジティブを貫く理由

 ぜんぶ君のせいだ。が7人の新体制となり、本格的な再スタートを切った。2020年夏にメンバー脱退や活動休止という大きな節目を経て、一時的にグループは如月愛海と征之丞十五時の2人だけに。そこへ甘福氐喑、もとちか襲、雫ふふの3人が加入し、同年11月には新5人体制でのお披露目ライブを行った。さらに2021年になると、新たにメイユイメイ、个喆の2人が加入し、現7人体制でのぜんぶ君のせいだ。が誕生した。

 編成は大きく様変わりしたわけだが、グループの本質は驚くほど変わっていない。孤独で居場所のなかったメンバー同士で支え合い、患い(ファンの総称)一人ひとりと目を合わせながら全身全霊で前へ進んでいく、その姿勢はますます揺るぎないものになっているのだ。最新の7人の声は『Q.E.D. bi』でのインタビュー(参照:ぜんぶ君のせいだ。、寄り添うことで発揮される7人の個性 『Q.E.D. bi』に刻まれた葛藤と成長を語り尽くす)に掲載されているが、各メンバーの個性的なキャラクターやグループでの役割をさらに深く探るべく、リアルサウンドでは7人へのソロインタビューを行っていく。

 第4回目は、个喆(こてつ)が登場。幽世テロルArchitect(現・KAQRIYOTERROR)のメンバーとして2017年にデビューすると、2018年にはゆくえしれずつれづれに移籍。そして2021年1月2日にゆくえしれずつれづれが解散すると、ぜんぶ君のせいだ。に電撃加入した。コドモメンタルで唯一、4年間で3グループを渡り歩いた个喆は、各グループの個性を吸収しながら独自のパフォーマンスを磨き上げてきたのだ。何より彼女のモットーは“ポジティブ”。しかし、その奥には誰よりもアツい反骨精神を煮えたぎらせている。そんな不思議なくらい真っ直ぐな个喆の人となりを、4年間の歴史とともに振り返っていく。(編集部)

「つれづれの曲の絶望が胸に刺さった」

ーーぜん君。に加入して半年近く経ちましたが、どうですか。

个喆:やっと楽しくなってきました。最初はみんなについて行くのにいっぱいいっぱいで、あんまり記憶がなくて。最近やっと記憶を残せるようになったので、楽しいです。

ーー良かったです。今日は3グループを渡り歩いてきた个喆さんヒストリーを辿りたいと思うんですけど、2017年に幽世テロルArchitectが始まった時のことは覚えていますか。

个喆:幽世に入る2年前くらいにつれづれのオーディションに応募していて、その時は1回落ちているんです。そしたら2017年の夏に社長から電話が来て、「新しくグループを作るんだけど、コドモメンタルに入りたいのか、つれづれに入りたいのか。どっちだ?」みたいに言われて。「コドモメンタルに入りたいです」と言ったら、「来なさい」ってことで決まりました。

ーーつれづれに応募したのは、そもそもどうして?

个喆:Twitterで偶然つれづれのMVが流れてきて。顔も全然見えないし、「なんじゃこりゃ」と思って開いたらカッコよくて一目惚れしてしまって、「これになりたい!」と思ったんです。最初のオーディションは年齢的に応募できなかったんですけど、その次はすぐ応募しました。

ーーつれづれのどんなところに一目惚れしたんだと思いますか。

个喆:その時って个喆がどん底にいたというか、人生で唯一すごく病んでいた時期で。親が荒れていたんですけど、助けも求められず初めて孤独を感じていました。つれづれの曲の絶望している感じが胸に刺さって、毎日つれづれを聴きながら泣いていて。一人で考えると病んじゃうから動かなきゃと思って、バイトとかめっちゃ頑張っていた時期です。

ーーそうだったんですね。学校の友人関係でも、孤独を感じたことはなかったのに?

个喆:学校に友達はいたけど、周りに対してそんなに興味がないので、常に一緒にいたいわけじゃなかったんです。休み時間も1人で本を読んでいたりしていると、みんなの方から来て喋ってくれたので、今思うと優しい人が多かったなって。喧嘩も嫌いなのでしたことなかったし、喧嘩になりそうだと思ったら縁を切っちゃってたくらい。友達関係でそんなに悩んだことはなかったです。

ーー争いごとを避けるために、そもそも人との深い関わりを避けていたと。

个喆:そういう感じです。面倒くさいことにならないように生きてました。でも、一人になるのは嫌だったんですよ。ある程度一緒にいる人は作るけど、踏み込まないっていう感じ。

ーーそんな个喆さんは、どんなことに夢中になっていたんですか。

个喆:アイドルが好きで、ずっとキラキラしているアイドルばっかり見てました。乃木坂46とかAKB48、ライブアイドルも好きで、踊って動画を撮ったりもしていました。つれづれはキラキラしてないなって今思いましたけど(笑)。自分が憧れていたアイドルとは違うけど、キラキラしてなくてもいい、暗くてもいいんだったら「私もつれづれに入って人を元気にさせられる!」と思えたので、そこはポジティブでした。

ーーアイドルへの憧れ自体はあった中で、いざ自分がステージに立ったことで感じた困難は何かありましたか。

个喆:幽世は新しいグループで、どんな曲が来るのかもわからなかったけど、未知の世界に入っていくワクワクはありました。でも、のなちゃん(のなめら)は経験がある人だったから、「ついていかなきゃ!」っていう気持ちで必死でした。个喆は恥ずかしがり屋で振りも大きく踊れなかったし、声も小さくて前も見れなくて……しょっちゅう怒られるくらい悲惨だったんです。お客さんにも心配されちゃったんじゃないかな(笑)。自分ではちゃんと踊ってるつもりなんだけど、映像を見ると个喆だけすごく省エネな動きになっていて。のなちゃんにもめちゃくちゃ怒られて、「基礎からやりなさい」ってことでアイソレーションを教わったりして育ててもらいました。のなちゃんには感謝しかないですね。

ーー短い期間だったかもしれないですけど、相方同士でしたもんね。

个喆:だからその後、幽世が3人になることが嫌だったんです。今だから言えることですけど。なんか2人って可愛いじゃないですか(笑)。マロ(ヤマコマロ)が入ってきて、「めちゃくちゃ歌うまいし背も高い人が入ってきたな〜」と思って悔しかったんですけど、でもカッコいいから「ありがとう」みたいな(笑)。またちゃんとついて行くぞっていう感じでした。

幽世テロルArchitect”かごめかごめ”Official MusicVideo
 

「自分が好きなグループを変えてしまうかもしれない」

ーー学生時代に人との関わりを避けていた部分もあったから、できないことを指摘されるとか、悔しいって思うこともきっと新鮮でしたよね。

个喆:そうですね。でも、実は言われた方がやる気が出るし、燃えるタイプなんですよ。「ダメダメだね」って言われると「絶対やったるわ!」っていう気持ちになるので、そこは怒られまくってよかったです。

スタッフ:褒めると怒るんですよ。「そんなのいらない」って言われます(笑)。

个喆:はい。でも、半年に1回くらいは褒めてほしいです(笑)。間違ってなかったんだなって確認したいから。それ以外はめっちゃけなされて、ちゃんと成長したいです。

ーー普段のインタビューでも感じてはいましたけど、やっぱり个喆さんは沸々と反骨心を燃やしているタイプですよね。

个喆:思い出してみたら、中学生の頃からそうだったかもしれないです。数学が全然できなくて塾に行ってたんですけど、当てられた時に答えられないと、「絶対答えられるようにならなきゃ!」と思ってめっちゃ勉強してました。

ーー歌やダンスも、そうやって手応えを掴んでいったんですか。

个喆:手応えは本当になかったです(笑)。幽世では、みんながリズムを間違えている時に戻す役みたいな感じでした。前のめりな曲とかでテンションが上がりっぱなしになってるところで、一歩引いて間を置いてキープしたりとか。

ーー冷静にグループを見る力があったんですね。

个喆:基本落ち着いてたかなと思います。マロとのなちゃんは本能型でスコーンと行っちゃう人だったので、「自分もそうなりたいな」と思いながらも冷静なままでした。一人はスンとしていないと、まとまらなくなっちゃうと思ってたから。

ーーそんな个喆さんですが、1年ちょっとで幽世からゆくえしれずつれづれに移籍することになります。

个喆:幽世を捨てたって思われるかな……と思いながらも、楽しそうっていう気持ちが勝っちゃって。ある意味周りのことを気にしてないからだと思うんですけど、楽しいこと・やりたいことは挑戦したい。つれづれなら何があっても辞めない自信があったから、好きっていう気持ちだけでやっていけると思って移籍しました。

ーー心を動かされたグループに、いざ加入するプレッシャーはなかったですか。

个喆:めちゃくちゃ不安でした。自分が好きなグループを変えたくなかったので。歌い方もまだまだ一本調子な感じだったから、つれづれっぽくなかったけど、「ここまできたら変えなきゃ!」「一人くらい変なのがいてもいいか」と思って吹っ切れてました(笑)。

ーー実際、个喆さんが加入したことによって、つれづれに新しい色がつきましたよね。前向きなエネルギーで影響を与えていたと思います。

个喆:確かに自分が好きだった時の曲は、ただ絶望していて希望の光もそんなに見えていなかったけど、最後の4人になってからは希望が見える曲が多くなったと思います。でも、それは个喆がポジティブだからとは思っていないです。仲の良さには自信はあったから、「そりゃあ希望の光も見えるわ〜」っていう感じ。

ーーラストアルバム『paradox soar』には4人で手を取り合っているような曲もありましたし、もともと人に興味がなかった个喆さんとしては、初めて強い絆で結ばれた瞬間なんじゃないかと思ったんですけど、いかがですか。

个喆:今も人に興味あるのかと言われたらわからないですけど、周りを見ながら、この場所を崩さないようにしようとは思っていて。こまちゃん(まれ・A・小町)に元気がないなと思ったら、勝手にくっつきに行ったりしてたから、興味あったのかな(笑)。どうでもよかったら自然と近くに行ったりしないし。

ゆくえしれずつれづれ “Wish/” Official MusicVideo

ーーつれづれに加入したことで能動的に表現していきたい気持ちも出てきたんでしょうか。

个喆:最初は、たから(たかりたから)がカッコよすぎて、「同期がこんなにカッコよく暴れているのに、自分はどない?」と思ってめっちゃ焦ってたので、たからのおかげで頑張れたと思います。たからとメイメイ(メイユイメイ)は獣というか、前にスコーンと出て行く役割だったから、「个喆は滑らかなクラゲみたいな人になりたい」と思ってました。

ーークラゲ……!

个喆:妖艶な人になりたいなって!

ーーぜん君。では、きっと同期のメイユイメイさんと刺激し合いながらやっているわけですよね。个喆さんは人の特徴を見るのが上手で、その上で自分はどういうところに存在意義があるのかを考えながら表現していける方なんだなって思いました。

个喆:そうなれているのかな。一人で前に出ることはあまりないから、自分を守っているような感覚なんです。自分の理想像を崩すのは嫌というか……。

ーー崩したくない自分というのは、どういうものなんですか。

个喆:ポジティブ。前向き。死にたくない。あとは、場を和ませる役っていうところです。

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