BEYOOOOONDS 清野桃々姫プレイリスト連載「ひめぷれ」 2月は「片思いが楽しくなる曲」

清野桃々姫、片思いソングをセレクト

 BEYOOOOONDS 清野桃々姫によるプレイリスト連載「ひめぷれ」。ブログで毎回目覚まし音として洋邦問わず様々な楽曲を紹介するなど、グループ内でも音楽好きとして知られる清野。同連載では、そんな清野に毎月あるテーマに沿ったプレイリストを紹介してもらう。2月はバレンタインにちなみ「片思いが楽しくなる曲」をテーマに7曲をセレクトしてもらった。そのアーティストならではの恋愛感情が描かれている部分に注目し、彼女がぜひ聞いてほしいと話す片思いソングとは?(編集部)

バレンタインにちなみ2月は「片思いが楽しくなる曲」をセレクト!

・クリープハイプ「ただ」
・back number「僕は君の事が好きだけど君は別に僕を別に好きじゃないみたい」
・米津玄師「鳥にでもなりたい」
・aiko「その目に映して」
・日向坂46「ドレミソラシド」
・Saucy Dog「いつか」
・いきものがかり「コイスルオトメ」

人間らしさが垣間見えると、かわいいなと思っちゃうんです

――今回のテーマは「片思いが楽しくなる曲」ということで、選曲してみていかがでしたか。

清野:今回は歌詞を重視しました! 片思いにもいろんな形があると思うので、ただ応援する曲だけじゃなくて、いろいろな状況から考えてプレイリストにしてみました。

――選曲を見たところ、明るくポジティブな曲ばかりではないのが気になっていました。特に前半のクリープハイプの「ただ」や、back numberの「僕は君の事が好きだけど君は僕を別に好きじゃないみたい」には片思いの苦悩が描かれていますよね。

清野:そうですね。でも、どれもすごくかわいらしいなと思うんです。片思いの曲になると、どのアーティストさんも、いつもの表現から少し変わるというか……。

ーー清野さんらしい発想ですね。例えば、クリープハイプの「ただ」はどういったところが“かわいい”と感じますか?

清野:自問自答している感じですね。自分だけが盛り上がっている状況というか。相手からは別に好かれていないかもしれないけど、それがわからないから自分だけで解決しようとしている感じがすごく出ていて。〈どうだって良いのに/もうやめた〉って歌詞があるんですけど、「こんなことやってられるかよ、もうやめたぞ」と思ってるのにまた考えちゃう、そんな自分に対しても悩んでいて。“こういう気持ちでごめんね”みたいな歌詞が続くのがかわいいなと思ったんですよ。

クリープハイプ - 「ただ」MUSIC VIDEO (from 2017.2.22 Release 作品集「もうすぐ着くから待っててね」)

――なるほど。共感というより、俯瞰的な視点で見ているのが興味深いです。クリープハイプといえば、先日清野さんのブログでおなじみの目覚し音でも「キケンナアソビ」を使っていましたよね。あの楽曲に対して、顔を手でおさえたスタンプを並べて表現していましたが、あれはどういった気持ちだったんですか?

清野:……なんだろう(笑)。上手く表せないんですけど、「あぁぁぁぁ!」ってなるというか(笑)。「これいい!」「ここエモい!」みたいな気持ちの最上級表現なんです。BEYOOOOONDSの岡村美波ちゃんと、いろんなアーティストさんのライブ映像の情報を送り合ったりする時にも、お互いにこのスタンプをよく使います。

――前回も岡村さんとは音楽の話をよくしていると言ってましたね。

清野:そうですね。「この日にオンラインイベントがあるね」って情報を送り合ったり、「このライブめっちゃよかったね」とか「このフェスすごいいいね」とか話したりします。

――尾崎世界観さんの歌詞についてどう感じていますか?

清野:尾崎さんの脳内を知れる気がして嬉しいです。尾崎さんは考え方や言葉の表現がすごい方なので、どういう生き方をしたらそういう考えができるんだろうっていつも思ってます。

――back numberの「僕は君の事が好きだけど君は僕を別に好きじゃないみたい」についてはどうですか?

清野:これは曲名もダイレクトじゃないですか。この言葉が一番わかりやすいから、こんな長い曲名になったんだろうなと思うんです。〈僕の世界は君を中心に/回っていると言っても過言じゃない〉から始まるんですけど、誰かを本当に好きだったらきっとそういう気持ちになるんだろうなって思うんです。片思いしている人、恋がまだ叶ってない人全員に当てはまる曲だと思います。でも、片思いしてるときって、“自分だけが盛り上がってるんじゃないか”って考えになりやすいのかなって思うんです。相手だってこっちのことが好きかもしれないのに。この曲は、そういう片思いしている人の気持ちが的確に表れていてすごく愛らしいです。

――なるほど。

清野:メッセージもストレートなところもすごくいいなと思います。back numberさんの楽曲は、私にとっては「青春」っていうイメージがあるんです。私の周りでも知らない人はいないですし、幅広く愛されているバンドさんですよね。

――続いては米津玄師さんの「鳥にでもなりたい」です。この曲は相手に対する歪な愛情表現がされていますよね。

清野:こうきて、こうくる?! みたいな展開で(笑)。この曲はちょっと変わった匂いがしてくるというか。

――具体的にどういったところにそう感じますか?

清野:曲調も、歌詞も中毒性があってハマっちゃうんです。今日も3回目のアラームはこの曲で起きたんですよ。相手を好きすぎて不思議な感覚になっちゃっている感じも良いですよね。これは“あなたが愛してくれないなら、きれいな鳥にでもなりたい”という曲で。全体を通して好きから芽生える気持ちの歪さが表現されていて、斜め上を行くような曲だなと思いました。

――相手への愛情が強くなりすぎた先にある生々しい感情ですよね。

清野:あいみょんさんの「貴方解剖純愛歌 〜死ね〜」という曲も、相手を好きな気持ちが強すぎるからこその表現ですよね。そこまで気持ちが高まるなんてどういう気持ちなんだろう。

――これまで挙げていただいた楽曲は、それぞれ言葉選びや音楽性は異なりますが、人の情けなさや淀みが引き出されている点では共通しているようにも感じます。

清野:音楽に限らず、ドロドロした作品が結構好きで(笑)。人間誰しもキラキラしている一面もあれば、表に出していない部分もあるじゃないですか。例えば、私だったらそういう部分があったとしても日記に書くくらいしかできないんですけど、作品として表現している方はすごいなと思います。そういう人間らしさが垣間見えると、かわいいなと思っちゃうんですよ(笑)。

――一方で、aikoさんの「その目に映して」は、どちらかというと健気に相手を思っている曲ですよね。

清野:“恋の歌”といえばaikoさんだと思ってすごい悩んだんです! 「milk」とか「かばん」とかも好きですし。でも、そのなかで「その目に映して」は好きな相手に対して“遠くで見ているだけだよ、だから気にしないでね”っていう曲で、そういう乙女心にキュンとしました。

――この曲で特に好きなフレーズはありますか。

清野:〈あからさまに反応しているあたし/それもいい〉ですね! 片思いの曲って、“あなたのことを考えすぎてる自分が恥ずかしい”と思ったり、逆に“好きじゃない!”って自分自身の気持ちを否定したりするものはあっても、この曲みたいに「それもいい」って自分で認めている曲って少ない気がして。でも、それがaikoさんらしいなと思いました。

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