櫻坂46、山﨑天センター曲「Buddies」の清々しいサウンドと圧倒的映像美 MVから感じる“絶対的肯定感”

『Nobody’s fault』(通常盤)
『Nobody’s fault』(通常盤)

 先日、櫻坂46の1stシングル『Nobody’s fault』に収録のカップリング曲「Buddies」のミュージックビデオが公開された。映像はダンスが中心で、メンバーが笑顔でパフォーマンスする姿を美しく撮っている。澄み切った空気の中で少女たちが疾走する様子は憑き物が落ちたように爽快だ。都会の高層ビルの画は、ともすれば観る者に冷たい印象を与えかねないが、撮り方次第では人びとを温かく見守っているようにも見せることができる(「二人セゾン」がそうだったように)。日の光が反射した街の輝きは、新しく生まれ変わった彼女たちの大いなる第一歩を祝福しているかのようだ。

櫻坂46 『Buddies』

 センターはグループ最年少の期待のメンバー、山﨑天。先日放送された『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京)でも過酷な登山ロケに楽しそうに挑む可愛らしい一面を見せていたが、踊るとなると人が変わったように真剣な表情を見せる。屋上から街を見降ろす姿の凛々しさ、目の輝き、手足の長い身体から繰り出されるダイナミックなダンスなど、すでにただならぬ風格だ。とりわけ終盤で足を広げながら頷くポーズのカットは、今作で最も目を引く存在感を放っている。

 楽曲に耳を傾ければ、これから彼女たちが作り上げる物語の壮大さを予感させる豪華なオーケストレーションの施されたサウンドや、走り出した少女たちの躍動感を支える力強いビート、そして神々しく流麗なピアノが鳴り響く。歌詞においては、サビよりも登場回数の多いBメロが非常に印象深い。“季節の風”、“花の香り”、“緑の木々”、“漏れる日差し”といった自然を感じさせる言葉を、セリフと歌の間のようなニュアンスで歌い世界観を描写する。一方で、繰り返しを多用するキャッチーなサビでは仲間たち(=“buddies”)の存在を高らかに歌い上げる。両腕を広げる動きや、全員で車座になるフォーメーション、互いに目線を合わせる振り付けなど、ダンスはメンバーたちの繋がりや強い絆が伝わるものになっている。

 総じて感じるのは、生きることへの絶対的な肯定感だ。まさに“すべてを奪った嵐”のようだった欅坂46の5年間を経て、今未来へと向かってスタートを切った彼女たちの真っ直ぐな気持ちを清々しいサウンドと圧倒的な映像美で表現している。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる