櫻坂46 藤吉夏鈴と山﨑天、多くを語らず目で主張する二人 センター抜擢から見えるクリエイティブ面の踏襲

 先日、ティザー映像が公開された櫻坂46の1stシングル『Nobody’s fault』。発売が近づくに連れて、徐々にそのコンセプトやクリエイティブ周りの全貌が明らかになってきた。先駆けて公開されたグループ全体のアーティスト写真は荘厳な空気感。気品漂う衣装は、上半身や袖に施された複雑なデザインに対して、腰から足元にかけての裾のグラデーションが優雅で美しい。中世ヨーロッパの貴族のドレス風でもあり、庶民的なワンピース風でもある。

欅坂46『Nobody's fault』(TYPE-A)
欅坂46『Nobody's fault』(TYPE-A)

 また、通常盤と合わせてTYPE-AからTYPE-Dまで5種類あるジャケットアートワークはクリエイティブチーム・PERIMETRONが手がけたという。表題曲の力強いイメージとは異なり、アンティークな扉や緑の生い茂った古めかしい建物が独特の雰囲気を醸している。まるで「深い森にある廃墟でダンスレッスンを始めた生徒達」といった様相だ。欅坂46時代の『二人セゾン』のアートワークをどことなく思わせる構図もあり、カップリング曲への期待が高まる。なかでもTYPE-Aは、表題曲センターを務める森田ひかるを含めた2期生3人のアンニュイな表情が印象的。現在の彼女たちの心に巣食う不安や迷いが伝わるようだ。

 その内の1人である藤吉夏鈴は、番組などで見せる独特の“不思議かわいい”キャラクターが人気のメンバー(欅坂46 藤吉夏鈴が持つ、“不思議かわいい”の内に秘めた“熱” 独特なキャラクターとステージ上でのギャップが魅力に)。そして、物静かなイメージとは裏腹に心の中の“熱さ”の伝わるパフォーマンスも魅力的。先日の欅坂46のラストライブでも弾けるような笑顔が話題となっていたが、不器用ながらもステージ上では人が変わったような表情を見せてくれるのは多くのファンが知るところ。もともとファンからの注目度も高く、今作のセンター起用は満を持しての抜擢と言えるだろう。

 今年7月にYouTubeでプレミア公開されたスペシャルインタビュー特番『欅坂46 season's 28の欠片』において、グループ加入前は「(将来について)あまり何も考えてこなかった。ただ生きてるみたいな人だった」と話していた藤吉。オーディションを受けたのは、そんな自分を見かねた親が「変わってほしい」と思って薦めたからだという。今作のセンター抜擢をきっかけに、さらに成長していく彼女の姿に期待したい。

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