RAISE A SUILEN、1stアルバム『ERA』チャート健勝 ライブで体感したいエネルギッシュなアレンジの作品に

 実際、RASはすでに単独公演も含めパフォーマンスの場数は多く踏んでおり、その模様はライブやソフト以外にもYouTubeのオフィシャルチャンネル(「バンドリちゃんねる☆」)で見ることができる。観客へのアピールや煽りを含めた派手なステージングで、音源に聴き取れる通りのインパクトだ。ライブでのパフォーマンスをリアルへの窓口のみならず、メディアミックスの一環として重視するバンドリの特徴が、こうした一貫したバンドの個性につながっているように思う。

【公式】RAISE A SUILEN「EXPOSE ‘Burn out!!!’」ライブFull映像【Poppin'Party×SILENT SIREN 「NO GIRL NO CRY」DAY2】

 という具合に、ライブがプロジェクトの核であるバンドリは、2020年のコロナ禍に大きな影響を受け続けている。5月3~5日に開催予定だったライブ『BanG Dream! Special☆LIVE Girls Band Party! 2020』は延期日程の目処が立たず実質中止になった。しかし8月には『BanG Dream! 8th☆LIVE 夏の野外3DAYS』を感染対策の徹底のうえ開催にこぎつけた。ブシロードの代表取締役会長である木谷高明はしばしばメディアに登場してコロナ禍以降のエンタメ産業に関するオピニオンを発信しているが、困難な状況下で実績を徐々に積み上げていると言えよう。

 単純に作品としての個人的な好みで言えばポピパやRoseliaのほうが聴きたい気持ちになる。しかし「これライブで見たら絶対楽しいんだろうな……」と思されるのはRAS、というのがアルバムを聴いての率直な感想だ。それだけに、大規模ライブやフェスでの活躍に触れる機会がかつてのように戻ってきてほしいところだ。

【公式ライブ映像】RAISE A SUILEN「R·I·O·T」/THE THIRD(仮) 2nd ライブ

■imdkm
1989年生まれ。山形県出身。ライター、批評家。ダンスミュージックを愛好し制作もする立場から、現代のポップミュージックについて考察する。著書に『リズムから考えるJ-POP史』(blueprint、2019年)。ウェブサイト:imdkm.com

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