RAISE A SUILENに聞く、バラバラな個性がバンドの“強さ”になるまで THE THIRD(仮)からの挑戦の日々を振り返る

RAISE A SUILENに聞く、バラバラな個性がバンドの“強さ”になるまで THE THIRD(仮)からの挑戦の日々を振り返る

 『BanG Dream!』シリーズを引っ張る第3のバンドとして、リアルライブの現場から活動をスタートし、後にアニメシリーズや『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』(略称:『ガルパ』)にも登場。今やシリーズにとって欠かせない存在となったRAISE A SUILEN(以下、RAS)。彼女たちが、自身にとって初のアルバム『ERA』を完成させた。

 THE THIRD(仮)という、シリーズのバックバンドとしての経験を前身に持ち、同じバンドとは思えないほど個性溢れるメンバーが巻き起こす化学反応で人気を集めてきた彼女たち。Raychell(Ba/Vo、レイヤ役)、小原莉子(Gt、ロック役)、夏芽(Dr、マスキング役)、倉知玲鳳(Key、パレオ役)、紡木吏佐(DJ、チュチュ役)の5人にこれまでの歩みと、1stアルバムに込めた想いを聞いた。(杉山仁)

「RASの個性をみんなでつくり上げている感じがすごくします」

ーー『ERA』はバンド結成から現時点までの集大成的作品になりますが、THE THIRD(仮)として活動を始めて、RASとして5人組バンドになったとき、みなさんはどんなことを感じていましたか?

紡木吏佐(以下、紡木):最初にみなさんと顔合わせをさせていただいたときは、まだバンドの方向性がどんなものになるかも分からない状態で、みなさんが集まっている会議室のドアを開けた瞬間に、「ええ……?!」とびっくりしたのを覚えています。というのも、そこにいたのはとても可愛らしい方から、美しいレディまで本当に色々で……「これは一体、どういうバンドなんだ?!」と、余計にバンド像が分からなくなってしまったんですよ(笑)。

Raychell&小原莉子(以下、小原)&夏芽&倉知玲鳳(以下、倉知):(笑)。

ーー確かに、みなさんは性格もキャリアも様々な方々が集まったバンドという印象ですね。

Raychell:みんなそれぞれにタイプが全然違うので、私も最初は「このメンバーで、バンドができるのかな?!」と思いました(笑)。でも、今思うと、RASってそれぞれに何か長けているものを持ったメンバーが集まったバンドで、だからこそいいんだな、と思うんです。一緒にライブや演奏をしていても、「みんな、本当にすごい」と、改めてメンバーのことを尊敬することも多くて、たとえば、玲鳳ちゃんだったらダンスが得意なので、「パフォーマンスは任せて大丈夫だな」と思ったり、吏佐ちゃんなら「この曲のこの部分は、DJは手が自由だから、この曲では煽ってもらおう」と思ったり。それぞれの個性や特徴に合わせて、「じゃあ、こんなこともできるかもしれないね?」と、みんなで考えていけた部分がすごくあると思います。

ーーそれぞれの個性が違うからこそ、できることの幅も広がっていったということですね。

Raychell:(小原の方を見ながら)ギターを背中で弾けるメンバーもいますしね。

小原:(笑)。でも私の場合、RASに入ってからはじめたプレイスタイルが8割くらいで、自分にとっても新しく挑戦することばかりなんです。これはみんなそういう部分があるはずで、RASだからこそ、今までやってこなかったプレイをはじめることも多々あると思うんです。そういう意味でも、RASの個性を、みんなでつくり上げている感じがすごくします。たとえば、Raychellさんの歌い方も、RASの前にソロで活動していたときと今とは全然違っていて、「RASに合わせて変えてくれているんだ」って感じたりもしました。

「RASの血液はRaychellさんの歌」

ーーなるほど。他にもRASに入って初めて挑戦したことがあれば教えていただけますか?

倉知:私の場合は、バンドで演奏をすること自体がRASや前身のTHE THIRD(仮)が初めてで。初めてイヤモニをつけて演奏をしたのが、下北沢GARDENでの『THE THIRD(仮)1stライブ』でした。そのとき、「ボーカリストさんの歌声があることで、こんなに曲に感情が入るんだ……!」とすごく思ったのを覚えています。私の中では、RASの血液はRaychellさんの歌だと思っているんですけど、その血液が、そのとき私にも通ったというか。「バンドってこういう感じなんだ!」と衝撃を受けたし、「すごく楽しいな」と思えた瞬間でした。

夏芽:私はRASに入る前は、バンドをやったり、サポートドラマーとして活動したりしていました。THE THIRD(仮)はバックバンドとしてはじまったので、そういう意味では初めての経験ではなかったんです。でも、エレガさん(Elements Garden)の作る曲はどの曲も素晴らしいですけど、同時にどの曲もほんとにハードで難しくて、すごく激しい曲もありますし、色んな要素がポンポン! と次々に出てくるので、それは初めての経験でした。アニソンって、演奏するのもとても難しい音楽なんです。RASでの活動を通じて、そういう面でも鍛えられた印象がありますね。

紡木:私にとっては、『BanG Dream!』で経験させてもらったことのほぼ9割が初めてで、DJもラップも初めてですし、メンバーの中でも、私だけが本当にド素人で(笑)。なので、初めてDJをするところからはじまって、みなさんの足を引っ張らないように頑張らないと……という気持ちでずっと活動を続けています。日々鍛錬あるのみ、という感じです。

Raychell:でも、そのラップも今やRASの個性のひとつになっていますよね。

紡木:チュチュのラップは、チュチュの気持ちに寄り添っている内容なので、「チュチュはきっとこんな気持ちかな」と、その感情を想像することで、挑戦できている気がします。紡木吏佐として歌っていたら、きっといまだにラップはできていないと思うんです(笑)。煽るような雰囲気でラップができるのは、チュチュのキャラクターがあってこそですから。

倉知:私の場合も、表現するときの選択肢がいくつかあったときに、「パレオちゃんだったらこうするよね」と考えて決めています。それはやっぱり、メディアミックスプロジェクトならではの魅力ですよね。

ーーリアルライブから誕生したバンドでありながら、そこからキャラクターが生まれたことで、それぞれのキャラに寄り添うようにもなっていったんですね。

夏芽:そうですね。RASはリアルライブが先に始まったので、私たちに寄せてキャラクターを作って頂いた部分もあると思うんですけど、たとえば私は私で、演奏するときにマスキングを意識した表情でプレイしたりと、お互いに影響を与え合っている感覚があります。

Raychell:私も、キャラクターの性格や歌い方が分かってきてからの方が、「じゃあ、こういう歌い方に変えられるな」「レイヤだったらこうするな」と、色んなことを考えられるようになりました。ライブはもちろん、舞台にしても、自分が担当するキャラクターについて「こんな面もあるんだ」と、みんなそれぞれに理解が深まってきたと思うので。私自身も、レイヤがなぜ、あんなに花ちゃん(花園たえ)のことを気にかけるんだろう、ということが今は分かっているので、その気持ちを表現したり、レイヤを演じること自体が、より楽しくなっていますね。

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