『友よ人生を語る前に』インタビュー
THE ALFEEの3人が語る、“続けること”の大切さ 同世代に向けたメッセージソング、初の無観客配信ライブ開催への思いも
THE ALFEEは“ライブバンド”であり続ける
ーーそのパワーの源をお伺いしたいです。なぜ止まることなく活動を続けることができたんでしょう。
桜井:やっぱり“ライブバンド”としてライブをずっと続けられたってことですよね。それが一番大きいですし、THE ALFEEの本業というか。テレビやラジオ番組への出演、いろいろな活動があってもライブを基本としてやってきましたから。その基本ができなくなったことが今回は一番痛いですよ。長い歴史の中で。もちろん我々だけではありません。世界中のことですけれども。これをぜひとも乗り越えないといけないです。
ーー現時点では先が見えないコロナ禍ですが、改めてどのように受け止めていますか。
坂崎:生活様式が変わっていくということですよね。日本もデジタル化していくきっかけになるとか、音楽の様式もこれを機に変わっていくと思うんです。ただ、ライブを今までどおりにやれる時がきた暁には、その様式は多分これまでのTHE ALFEEの様式のまま続けていくと思うので。今のこの時点で言うと配信ライブもありますから、僕らのやれるいろんなアイデアをもって提供していきたいなと思いますね。これまでのようにライブがやれる時が来るまで元気で我慢してやっていかないといけないなと。
ーー8月24日・25日には『THE ALFEE 46th Birthday 夏の夢』と題した配信ライブが行われます。こちらの開催を決めたのは、やはり続けていこうという思いの表れなのでしょうか。
高見沢:そうですね。毎年夏のイベントをやり続けてきましたから、そこだけは絶やしたくなかったですし、お客さんの安全も考えた上では配信ライブ、無観客がベストな選択なのではないかと。ただ、これをずっと続けていくのかというとそうはいかないというか、やっぱり僕らができる、僕らなりの方法を考えつつ、アイデアで繋げていく。自分らにしかできないこと、THE ALFEEならではのことを模索中です。毎回無観客ライブというのも能がないですからね。僕らの特長を生かした、僕らしか出来ないことをやらないと。
ーー生に勝るものはないですね。たとえば今後、楽曲制作をより活発にしていくということもあるのでしょうか。
高見沢:あると思いますよ。先ほどもお話したように、曲がありさえすればいずれステージでもできるし、レコードもできる。今回のレコーディングは三密にならないようにデジタル化して各セクションをバラバラに録音しましたけどね。できることはそこですよ。新しい曲を作り続けてレコーディングして発表していく。そしてその先に通常のライブがあると信じる。そのための僕らの発信ですよね。意志の表れです。
ーー桜井さんどうでしょう。音楽業界全体にも先行きが見えない不安感が募っています。ライブを中心に活動してきたロックバンドたちは特にその思いが強いのではないでしょうか。
桜井:特にこれから出てくる若者たちですよね。ライブハウスのような育っていく場所がなくなるというのは本当にかわいそうだなと。もちろん新しいやり方を若い人たちも考えていくだろうし、そういうものの総合として新しいかたちのエンターテインメントが出来上がっていくのだと思いますが。ただしさっき言ったように生が一番で、これを超えることはできないんですけどね。必ずライブができる日が来ると信じていますし、今はできることを考えていくしかないです。ラジオをやっていると「歌によって助けられた」というようなお便りをいただくことがありますけど、それはもう本当にうれしいことです。
坂崎:リモートでオーケストラ演奏をやる方々が出てきたりしたのは、この時代ならではの取り組みですよね。たとえば20年前だったらそんなことはできなかったわけで。人に会わないでっていうのは僕らの世代としてはやっぱり微妙だけど。
桜井:そうだよね。音楽はただテンポを合わせればいいってだけのものじゃないからね。
坂崎:一つのエンターテインメントの提供という意味では、新しくていいと思いますけどね。
ーーカップリングの「太陽と鋼の翼」はハードロックやプログレの趣のあるダイナミックな曲でした。「友よ人生を語る前に」は、どちらかというと同世代に向けた曲ですが、こちらは若い世代にも届くような言葉になっているのではと思いましたが。
高見沢:この曲は“THE ALFEEロック”の王道ですよね。これもステイホーム期間に作った曲の中の一つです。いろいろなタイプの曲をたくさん作ったんですよ。ほぼシングルを目指して作っていて、本来ならばA面、メインの楽曲の一つだったんですけど、今回はあえてカップリングに回しました。
ーー〈少年たちよ 無謀は罪ではない〉という、また力強いフレーズがありますね。
高見沢:かつて僕らも少年でしたから、昔は無謀だったんですよ(笑)。でもそのことは今わからなくてもいい、いつかわかる時が来る。そういう思いがありますね。無謀ではあったけど無法ではなかったので、そこは守ってほしいですけど(笑)。怖いもの知らずが実は一番もろいものなんだなってことをすごく感じますね。なんでもできるんだって思っているのが一番なんにもできないんですよ。それもこの年齢になって感じることですが。親でも先生でも何を言われても当時はわかんないですから。それは当然なんです。そういう気持ちでこの曲は若者、広い世代に向けたロックナンバーですね。
ーー先人の知恵のようなものもこの中には入っている。
高見沢:長く生きているとやっぱり昔の方が考えた言葉はなるほどなっていうのがよくわかりますよ。
ーー最後に今後のTHE ALFEEについても聞かせてください。今回のシングルも対照的な2曲が収められましたが、これからもさまざまなサウンドに挑戦していかれるのでしょうか。
高見沢:THE ALFEEはやっぱり3人が歌えるってことが強みなんですよね。常にバラエティ豊かな歌声が作れるし、コーラスでも補えるし、そこは武器ですよね。46年でそれなりにそれぞれが進化しているというのはここまでやってきた証でもありますし、そういったものを生かす楽曲を作ることが楽しみですよね。
伝えたいことはまだまだたくさんあります。なにか一つのことを切り取るよりも先のことを考えて言葉を紡いでいくのが最近の僕の傾向に多いんですよ。これは小説効果でもあるんですけど。曲を書き始めた頃と思考も変わってきたなと思いますね。内省的なものも時にはありますけど、僕たちの音楽を聴いてくれた方、これから聴こうとしてくれている方にたくさん届けていきたい。これからも振り向いてもらえたらすごくラッキーだし、もしかしたら配信ライブも一つのチャンスなのかなとも思いますよね。コンサートには足がのびない方も配信なら見てみようかなと思うかもしれないし。
ーー新しいリスナーに届けられるチャンスにもなる。
高見沢:はい。そういう方々にも今回のシングルの曲が届くといいなと思うんです。とにかく僕らみたいなミュージシャンはやり続けることが大前提ですから。途中で止まったらそこで終わっちゃいますから。そのためにもまずは健康に気をつけながら今後もやっていこうと思いますね。
桜井:3人とも本当に大病はしていないし親に感謝です。だからこそ46年続いてきたと思います。これからも健康には十分に注意してやっていきたいです。
坂崎:いつこれまでどおりライブが再開できるか見通しは立たないですが、必ず今までのようなかたちでまたツアーができると思いますので、それまで僕らのやれることをいろいろとアイデアを出し合ったり検討したりして、ファンの方に提供できるように繋いでいきます。それまではお互いに元気でいましょうね。
■リリース情報
『友よ人生を語る前に』
【通常盤】¥1,100(税込)
M1 友よ人生を語る前に
M2 太陽と鋼の翼
M3 友よ人生を語る前に(Strings Melody Ver.)
M4 碧空の記憶(Live at OSAKA-JO HALL Aug. 25, 2019)
【初回限定盤A】¥1,100(税込)
M1 友よ人生を語る前に
M2 太陽と鋼の翼
M3 友よ人生を語る前に(Strings Melody Ver.)
M4 愛は想い出の中に(Live at Makuhari Messe Aug. 3, 2019)
【初回限定盤B】¥1,100(税込)
M1 友よ人生を語る前に
M2 太陽と鋼の翼
M3 友よ人生を語る前に(Strings Melody Ver.)
M4 真夏の夢(Live at Makuhari Messe Aug. 4, 2019)
【初回限定盤C】¥1,100(税込)
M1 友よ人生を語る前に
M2 太陽と鋼の翼
M3 友よ人生を語る前に(Strings Melody Ver.)
M4 悲劇受胎(Live at Makuhari Messe Aug. 4, 2019)
■コンサート概要
『THE ALFEE 46th Birthday 夏の夢 2020 SUMMER8.24-25』
8 月24日(月)8.24 46th Birthday Eve
8月25日(火)8.25 46th Birthday
※開演 20:00 両日とも
※視聴券は各日ごとに購入必要
視聴券 A ¥4,500(税込)【参加記念チケット(メモリアルチケット)付 送料込】
視聴券 B ¥4,000(税込)
チケット購入…イープラス (要無料会員登録)
視聴…Thumva(サムバ)