back numberのMVは、なぜ驚異の再生回数を記録? 思い出を追体験できる映像の魅力

back number『NO MAGIC TOUR 2019 at 大阪城ホール』(通常盤)

 7月29日、back numberがオフィシャルYouTubeチャンネルを開設。デビューシングル『はなびら』から16thシングル『ハッピーエンド』までの表題曲や、CDの特典収録のみだったアルバム収録曲「エンディング」などのMVフルバージョンが公開された。back numberはこれまでも所属レコード会社ユニバーサルミュージックの公式チャンネルでヒット曲のMV short ver.を公開しており、「クリスマスソング」のMVは昨年のクリスマス目前で再生回数1億回突破したことは大きな話題に。そしてフルバージョンが公開された19曲のMV合計再生数は約5000万回にものぼる(8月13日時点)。失恋ソングから幸せな男女の甘いミディアムバラード、自分を奮い立たせるロックチューンまで、どれを取っても共感せずにはいられない歌詞や、哀愁と清涼感が両立したメロディはもちろん、back numberの魅力を語る上でMVは欠かせない要素となっている。

back number – クリスマスソング (full)

 そもそも、アーティストのMVがこれほど注目されるようになったのはごく最近のこと。以前はPV(プロモーションビデオ)と呼ばれ、あくまでも新曲を宣伝する目的で制作されていた映像が、いつしか楽曲の世界観をより強固にするための「作品」に進化していた。人気アーティストとタッグを組むMV監督の名前は頻繁に取り上げられ、時にはクリエイティブディレクターやイラストレーターが制作に携わることも。MVにはアーティスト自身の個性も反映されており、例えば、あいみょんは新曲をリリースする度にMVとveryshort movieと名付ける1分程度の映像を制作。どちらも世界観は共通しているが、先行して公開されるvery short movieの方は主にクリエイターのとんだ林蘭がディレクションを担当し、配色豊かなアート作品に仕上がっている。他にも自身がインド人や魔法使いに扮する平井堅の個性的な作品など、どれもこだわり抜かれたものばかり。一方、back numberのMVは多くの作品が一人の女性に焦点をあて、淡々とした日常を捉えているのが特徴だ。フィルムカメラで 撮影したようなフィルター越しに、楽曲をイメージした物語が展開される。2012年にリリースされた6thシングル「わたがし」には、女優の山本美月が出演 。彼女が扮する水色にはなびらの浴衣に身を包み、 花火大会ではしゃぐ女性の姿をカメラが追いかける。バックでは好きな子をようやくお祭りに誘えた男性の想いが溢れる歌が流れ、まるで自分自身が彼女を追いかけているような気分に浸れるのだ。

back number – わたがし (full)

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