『サイコだけど大丈夫』『賢い医師生活』…OSTと合わせて今夏楽しみたい 第4次韓流ブームはドラマとK-POPの融合型に?
『愛の不時着』『梨泰院クラス』や『Nizi Project』をきっかけに、第4次韓流ブームと言われ始めている昨今。以前はドラマブームとK-POPブームで分かれていたが、どうやら今回は融合型のようだ。名作の裏には盛り上げるOST(オリジナルサウンドトラック)の存在があり、またK-POPグループのボーカルや人気アーティストがドラマOSTを歌うケースも多い。やはりドラマと音楽は切っても切れない関係なのだ。
『愛の不時着』ロスの特効薬!?キム・スヒョン復帰作『サイコだけど大丈夫』
南から来た気高い女性起業家ユン・セリと、北の朴訥とした兵士リ・ジョンヒョクの恋にハマってしまった人は、『サイコだけど大丈夫』のファンタジー要素あふれるラブストーリーも“いける口”なのでは? と予想する。『愛の不時着』と同様、スタジオドラゴンが制作に関わっているところも大きな共通点だ。
主演のキム・スヒョンにとっては大ヒット作『星から来たあなた』以来、除隊後初の復帰作。彼が記念すべきタイミングでこの作品を選んだのも納得の、よく作り込まれた繊細なラブロマンスだ。そして少し……いや、かなりサイコパスなヒロインを熱演したソ・イェジの華やかな衣装も話題となった。
『愛の不時着』の音楽監督×最旬女性シンガーがタッグを組んだOST
さらに注目すべきは実力派アーティスト揃いのOSTだ。音楽監督は『愛の不時着』と同じくナム・ヘスンが担当している。韓国では8月5日よりアルバムの予約が開始、日本でも配信開始を待ち望む声が上がっている。
『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』など数々のOSTやコラボにひっぱりだこなソロシンガー、Heizeが歌うラブソング。“より愛した方が辛い”そんな歌詞の切なさが、彼女の儚げな柔らかい声によって倍増する。
韓国ドラマの中に洋楽が? と思わず錯覚してしまうほど流暢な英語、そしてオーストラリアの歌姫・Sia(シーア)を彷彿とさせる声。ミステリアスな雰囲気が漂うバラードを歌うのは新人アーティストのJanet Suhh(ジャネット・ソ)だ。
そのほかAKMU(楽童ミュージシャン)のイ・スヒョン、CHEEZEなども参加しており“韓国の最旬女性シンガー大集合”なOSTとなっている。
パク・セロイより働き者な5人の青春群像劇『賢い医師生活』
『梨泰院クラス』ロスの働く大人たちにオススメしたいのは、Netflixで配信中の『賢い医師生活』だ。1980年生まれの40歳ーー傍から見ればもう中年な男4人+女1人の“青春群像劇”である。
舞台は総合病院、しかし「医療ドラマ」と言い切ってしまうと少し語弊がある。『白い巨塔』のような教授同士の派閥争いも出てこず、ドラマチックなオペシーンも少なめ。その代わりに家族愛や友情、恋など登場人物たちの人間模様が丁寧に描かれ、上質なヒューマンドラマに仕上がっている。「ハラハラドキドキ」よりも「ほっこり」や「キュン」を楽しむ作品なのだ。
ただ医師という職業柄、『梨泰院クラス』のパク・セロイ顔負けの仕事漬けな日々を送る主人公たち。そんな彼らが、唯一“素”を取り戻せる時間ーーそれは「バンド活動」だ。劇中で演奏されるのは、BTSはおろか東方神起もデビュー前、K-POPという言葉さえ定着していない1990年代から2000年頃のヒット曲たち。日本で例えるならMr.Childrenの「Tomorrow never knows」やスピッツの「ロビンソン」あたりだろうか。懐かしのテッパン曲をSUPER JUNIORのキュヒョンやMAMAMOOのフィインなど人気アーティストがカバーし、新しい命を吹き込んだ。きちんと現代風に編曲されており、若い世代や海外の視聴者にも受け入れられるように、という制作陣の深い音楽愛と工夫が感じられる。