『Get With You』インタビュー
変幻自在のボーカリスト集団・DEEP SQUADが語る、デビューシングル『Get With You』に込めた想い
TAKA、YUICHIRO、KEISEIによるDEEPが、『DEEP VOCALIST AUDITION』を勝ち抜いた宇原雄飛、杉山亮司、比嘉涼樹を新メンバーに迎え、2019年7月22日に結成されたDEEP SQUAD。あれから1年、7月22日に配信されるシングル『Get With You』で彼らは満を持してデビューを果たす。同曲は、『DEEP VOCALIST AUDITION』の課題曲としても歌われた思い出深い一曲だ。そこにはどんな思いが込められているのだろうか。6人に話を聞いた。(高橋梓)
「寄り添わないと綺麗なメロディーが生まれないと教えてもらいました」(杉山)
――「Get With You」はTAKAさん、YUICHIROさん、KEISEIさんが作詞を担当していて、DEEPの過去作品の歌詞も散りばめられています。制作時はどんな想いを込めていたのでしょうか。
TAKA:実はオーディションの前、2018年くらいから制作に取り掛かっていました。元のメンバーであるRYOがDEEPを卒業した後、スタッフと今後の展開を話し合っていく中で、新メンバーを加入させたいというお話しをさせて頂き、オーディションの開催が決定。そこで決まる新メンバーにも、これまでの僕たちの歴史やDNAを引き継いでほしいという想いから、既存曲の歌詞やタイトルを入れた歌詞を書きました。そして、「Get With You」が完成したんです。
YUICHIRO:曲が出来上がっている状態だったので、オーディションの課題曲としても使わせていただいて。この曲をきっかけにデビューするという流れは当初から考えていました。
――もともと計画されていたんですね。新メンバーに受け継いで欲しい「DEEPのDNA」とありましたが、具体的にはどのような精神やスタイルを指しているのでしょうか。
TAKA:2007年に新生COLORとしてデビューして以降、約13年間活動してきた「歌に特化したグループ」というスタイルは、これからも継承していきたいと考えていました。曲を引き継ぐ=スタイルも引き継ぐになると思い、「Get With You」には既存曲のタイトルや歌詞を入れました。それともう一つ、キーワードになるのは「深い絆」。僕たちのオフィシャルファンクラブは「DEEP LINK」(深い絆)という名前なんです。振り返ってみると、13年間ファンの皆さんと一緒に歳をとって、嬉しいことも辛いことも分かち合いながら過ごしてきた。家族のような存在の皆さんと過ごしてきた歴史や絆も、新メンバー3人に引き継いでほしいです。ファンの皆さんがいてDEEPが成り立っていて、だからこそDEEP SQUADとしてスタートできるんだという感謝の気持ちを忘れずに、皆さんの思いも一緒に背負って歴史を紡いでいきたいです。
――確かに、サビ終わりの部分に〈深い深い絆を胸に〉という歌詞がありますね。
KEISEI:「絆」には、この6人で歌をつないでいきたいというテーマもあって。パート割にもそれが表れています。「Get With You」は新メンバーの名刺代わりというか。1番をあえて全部、新メンバーの担当にしたのはそういう意図がありました。その意図も皆さんに感じてもらえたらいいですね。皆さんと一緒に歌いたいです。
――既存メンバーの方々から見て、「Get With You」に対する新メンバーの取り組みはどうでしたか。
YUICHIRO:リズムの取り方で、歌い方はすごく変わってきます。そういったところは新メンバーにも意識して歌ってもらいました。逆に僕たちはレイドバックする癖があるので、新メンバーに合わせるようにしたり。テイクもこれ以上バリエーションはありません、というくらいやりました(笑)。PV撮影の直前まで、どのテイクがOKだったか分からなかったくらいです。
――試行錯誤されたんですね。
YUICHIRO:そうですね。最終的に、1番は新メンバーが歌いつつ、僕らがコーラスで支える。2番は新メンバーにコーラスをやってもらう、という形になりました。
――新メンバーの皆さんは、「Get With You」にどういう気持ちで向き合いましたか。
杉山亮司(以下、杉山):DEEPという形があるからこそ、自分たちがいると思います。それを継承していかなければいけないですし、まずプロとしてスタートラインに立てるくらいのスキルを身に着けなければいけないと強く思って、この1年でたくさん修行しました。かなり思い入れの強い楽曲です。
――自己研鑽をしていく上で、既存メンバーから教わったことも多いと思いますが、印象に残っていることはありますか。
杉山:コーラスです。6人のグループの中でハモる経験があまりなかったので、コツを教えてもらいました。「主メロの人に寄り添って歌っていく」というのも最初は分からなかったんですが、寄り添わないと綺麗なメロディーが生まれないということを、じっくりと教わりました。
――DEEPはバラード曲も多く、オーディションでもバラードを多く歌っていた印象です。今回はニュージャックスイングがベースとなった楽曲で、歌い方も大きく変わったと思います。苦戦した部分もあるのでは。
比嘉涼樹(以下、比嘉):グルーヴ感を出すために、言葉一つひとつにアクセントを置くことを意識しました。普通に歌っちゃうと、音だけ合わせたように聴こえてつまらなくなるというか。「ここにもっと強くアクセントを置いたほうがいい」とアドバイスを貰いながら、色々試してみました。
宇原雄飛(以下、宇原):リズムが難しくて、最初は音も全然取れなかったんですが、1年間歌ってきてやっと取れるようになりました。それにDEEPの3人が作った歌詞をちゃんと伝えないといけないので、リズムだけにとらわれないで歌詞もしっかり伝えられるように取り組みました。
――「Get With You」を『DEEP VOCALIST AUDITION』ファイナルで歌った時と今では、心境も全く違っていると思います。
宇原:オーディションの時はただ「難しい曲だな」という印象が強かったです。歌うのも、まずは音を当てるのに必死でした。1年経った今は、少しは成長したのか、歌詞の意味を噛み締めながら、しっかり伝えられるように歌えるようになったと思います。
杉山:オーディションの時と今では全然違うということが自分でも分かるくらい、気持ちの入り方も声の質も変わったと思います。表現者としての自覚と、プロとしての意識を持って歌うようになりました。
比嘉:オーディションの時はとにかく上手く歌おうって思っていましたが、今は伝えることの方が大事だと思うようになりました。もちろん上手ければ上手いほどいいんですけれど、それよりも聴いた人の心に残るような、聴いた人に伝わる歌を歌えるようにしようと、考えが変わりました。人の心に訴える表現ができるのが、プロの歌い手だと思うので。
――気持ち的にもテクニック的にも変わったんですね。
KEISEI:全体的に1年前に比べて成長できたと思います。STAY HOMEの流れで、なかなか人の前で歌えないんですが、逆にそれが成長できる良い機会でもあったのかなと。皆に会いたいという思いが、スキルアップや頑張りにも繋がりました。