DISH//が生配信ライブで届けた7周年の想い 画面越しでも感じたバンドとファンの繋がり
YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』にて3月に配信され、2000万回以上再生された「猫」は、丁寧で繊細な演奏と感情的なボーカルが胸に沁みる。楽曲の魅力だけでなく演奏と歌声が素晴らしいからこそバズにつながったのだと改めて実感する。感動的な余韻が収まる前に「僕たちがやりました」で骨太なロックサウンドを響かせて盛り上げる。「勝手にMY SOUL」では矢部昌暉(Gt/Cho)のギターソロが響く。
「お前ら声出すぞ!」と橘柊生が普段のライブと同じように煽り、盛り上がりは最高潮に。「NOT FLUNKY」では矢部昌暉が踊ったり駆け回ったり、お立ち台の上り下りを繰り返したりと大暴れ。「愛の導火線」では「近所迷惑にならない程度に声を出していきましょう! みんなで一つになろうぜ」と煽ってからコール&レスポンスを求める。「でっかい声ありがとう!」とシャウトする北村匠海。4曲続けて生ライブと同じ熱気を画面の向こうに伝える。それに応えるように視聴者は熱いコメントを残す。無観客ライブでもバンドとファンが繋がれることをパフォーマンスで証明した。
「この期間だからこそDISH//や音楽を愛せたし、愛しているみなさんに音楽を届けたい、伝えたいと思っていました。メジャーデビュー7周年の記念日に、配信だとしても僕たちの歌を届けられることを嬉しく思います。それを受け取ってくれる方が画面の向こうにたくさんいることをありがたく思います」と、北村匠海が話した後に演奏された楽曲は「Shape of Love」。北村匠海が作詞に参加したミドルテンポのバラード。これが最後の演奏曲だ。優しい演奏と歌声だが、画面の向こうに必死で伝えようとする熱い想いも感じられた。
ライブ終了後の挨拶で「ちょっとお客さん見えてたよね。そういう瞬間がめちゃくちゃあって楽しかった」と話していた。それはファンも同じだと思う。画面の向こうだが目の前で演奏を聴いている気持ちになれた。いつものライブと同じように楽しむことができた。それは「愛しているみなさんに音楽を届けたい」というメンバーの想いが演奏に込められていたからではと思う。
この日のライブ映像は、Blu-ray・DVDでリリースされる。また、夏には新曲が配信リリースされること、8月29日に配信ライブ『DISH// SUMMER AMUSEMENT'20』を行うことも発表された。DISH//はコロナ禍でも音楽を届けることを止めずに続けてくれる。そして夏の配信ライブではさらに進化した姿を見せてくれるだろう。
■むらたかもめ
オトニッチというファン目線で音楽を深読みし考察する音楽雑記ブログの運営者。出身はピエール瀧と同じ静岡県。移住地はピエール中野と同じ埼玉県。ロックとポップスとアイドルをメインに文章を書く人。
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