『Black Lives Matter』プレイリスト楽曲がチャート浮上 チャイルディッシュ・ガンビーノ「This Is America」などから考察

参考:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest

 Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(6月4日公開:5月28日~6月3日集計分)のTOP10は以下の通り。

1位:yama「春を告げる」
2位:瑛人「香水」
3位:YOASOBI「夜に駆ける」
4位:優里「かくれんぼ」
5位:Shuta Sueyoshi「HACK」
6位:神はサイコロを振らない「夜永唄」
7位:DISH//「猫 ~THE FIRST TAKE ver.~」
8位:Meland×Hauken「Chernobyl 2017」
9位:YOASOBI「ハルジオン」
10位:オレンジスパイニクラブ「キンモクセイ」

11位:韻マン「Change My Life」
12位:浪漫革命「あんなつぁ」
13位:jon-YAKITORY「シカバネーゼ」
14位:Rin音「snow jam」
15位:あいみょん「裸の心」
16位:宇多田ヒカル「Time」
17位:てにをは「ヴィラン」
18位:Gaho「Start」
19位:チャイルディッシュ・ガンビーノ「This Is America」
20位:Vaundy「灯火」

 1位 yama「春を告げる」から8位 Meland×Hauken「Chernobyl 2017」は先週もトップ10にランクインしていた楽曲たちであり、TikTok経由のヒットを生み出したことで、バイラルチャート上での圧倒的な強さを見せ続けている。そんな中で今週は、19位にランクインしたチャイルディッシュ・ガンビーノ「This Is America」を取り上げたい。

 5月25日、アメリカのミネソタ州ミネアポリスで、ジョージ・フロイド氏が路上で警官に首を押さえつけられて亡くなる事件が起きた。それを受けて、アメリカを中心に世界中で「Black Lives Matter」を掲げた抗議運動が拡大しているのは、連日報道されている通りだ。現地の音楽業界では「#TheShowMustBePaused」のハッシュタグとともに、6月2日に黒人差別撤廃に向けたストライキ「Black Out Tuesday」を実施する動きが広がり、多くの人々が黒い画像をSNSに投稿することで、理不尽な差別に抵抗する意志を表明していった。そして同日、Spotifyが全58曲入りのプレイリスト『Black Lives Matter』を公開。ここ日本でも、収録されていた楽曲の再生回数が急上昇し、「This Is America」も再び大きな注目を浴びることとなった。

チャイルディッシュ・ガンビーノ「This Is America」

 「This Is America」はまるでアメリカの写し鏡のように、社会の有り様を生々しく過激に描いた歌詞と、日本人監督のヒロ・ムライが手がけたMVが大きな話題を呼んだ2018年の楽曲。そこで揶揄された最大のテーマは、アメリカの歴史に根深く横たわる黒人差別問題で、チャイルディッシュ・ガンビーノとして活動するドナルド・グローヴァー自身の“アメリカ社会における自身の立ち位置”を反映させたパーソナルな内容でもある。その一方で、格差社会や銃社会、それらが引き起こした実際の黒人殺害事件へのリファレンスを効果的に配することで、アメリカの現状と成れの果てをひと塊にして突き出した強烈な1曲となった。今回の事件の内容をそのまま歌っているようにも聴こえる同曲の歌詞は、今の社会が改善されることがない限り、永遠にリアルな言葉として刺さり続けるのかもしれない。

Childish Gambino – This Is America (Official Video)

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