Number_i、初ライブツアーで示した答えとは何だったのか? 高らかな宣言に触れた一夜――福岡公演を観て

Number_i、初ライブツアーを観て

 「What is Number_i?」

 Number_iのデビュー曲「GOAT」のMVには、この問いが刻まれている。グループ初の全国ツアー『Number_i LIVE TOUR 2024 No.Ⅰ』は、平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太が、この一年で辿り着いた「Number_iとは何か」という問いの答えを示すものだったのではないかと思う。

 幸運にも、筆者は11月20日の昼に行われた福岡公演を現地で観ることができた。iLYs(ファンの呼称)の黄色い歓声が沸くなか、メインステージでは稲妻が走り、上から雨のように水が降り注ぐ。ライブタイトルにもなっている1stフルアルバム『No.Ⅰ』のリードトラック「INZM」でライブは幕を開けた。そこから、「GOAT」「FUJI」「SQUARE_ONE」と畳みかけていく3人。今年の元旦に初めて「GOAT」を聴いた時こそ、ここまで尖った楽曲でいくのかと驚いたが、今となっては完全に“Number_i”としてのブランドを確立したな、と思う。

 とはいえ、Number_iの楽曲はHIPHOP色の強いものだけではなく、この日披露された23曲を通して、彼らの楽曲の多彩さを再確認できた。たとえば、ゴスペル調の「i」では高く上がったセンターステージで優しく歌い上げ、軽快なシンセポップ「No-Yes」ではトロッコでiLYsの近くまで向かい、ラテンテイストの「ICE」では息の合ったしなやかなダンスで魅了する。そうやって、彼らは一曲ごとに魅せ方を変えながら、この一年でまた進化したであろう、たしかなパフォーマンススキルを証明してみせたのだ。

岸優太

 ライブは時折、映像を挟みながら進行していった。映像のなかで、“I”の形をしたモニターを通してステージを眺めている3人。モニターには、これまでに発表されたMVも流れている。途中、神宮寺が冷蔵庫にドリンク(ラベルに「ZUMAZUMA」と書かれているもの)を取りに行き、平野は大福を食べ始める。一年間彼らを追っていた人なら分かる、MVのワンシーンを思わせる演出にニヤリとしてしまう。

 「これ観ていい?」と岸が映像を切り替えると、雨が降る街で誰かを待っている3人が映し出される。そして、その映像から飛び出したように3人が再びステージに現れ、「Rain or Shine」へ。映像の世界と実際のステージをリンクさせながら、女性ダンサーと切ない恋愛物語を紡いでいく演出も素晴らしかった。

神宮寺勇太

 本編は「BON」で締めくくられたのだが、曲が終わると再び映像に戻り、モニターが動かなくなって慌てる3人の姿が。そんな3人の頭上に、「BON」のMVと同じくタライが落下。圧巻のステージで魅了させる一方で、ユーモアを忘れないところがなんとも彼ららしい。

平野紫耀

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