サカナクション、「#夜を乗りこなす」ライブ映像配信企画から辿るバンドの歩み パフォーマンスの進化にも着目

 サカナクションが過去のライブ映像をYouTubeで配信する試みが話題だ。在宅中の人々が異なる場所で同時に同じ作品を楽しむことで、インターネット上に興奮のうねりが起こる時間。それは自分が1人ではないと実感し、寂しい夜の不安に寄り添ってくれる。また、サカナクション側からすれば、自分たちがどのように表現を磨いてきたかを辿ることで、活動遍歴を再提示する意義も持つ。本稿では放映された作品を紐解き、バンドの歩みを振り返りたい。

SAKANAQUARIUM 2010 (C)

『SAKANAQUARIUM 2010 (C)』

 2月29日に放映されたのは2010年の4thアルバム『kikUUiki』を携えたツアーの本編ファイナルとして行われた『SAKANAQUARIUM 2010 (C)』、新木場STUDIO COAST公演。ライブハウスならではのエネルギッシュで若々しい演奏が目を惹く。とはいえオープニングでは岩寺基晴(Gt) 、草刈愛美(Ba)が太鼓を叩き、「Paradise of Sunny」ではスモークとオイルアートで幻想空間に誘い込むなど、先鋭的な演出は10年前から健在。アンコールのMCで山口一郎(Vo/Gt)はこれからも“良い違和感”がある音楽を追求していくと語っており、現在まで地続きの姿勢が垣間見える。今こそ改めて観たい1作である。

サカナクション – LIVE Blu-ray「SAKANAQUARIUM 2010(C)」トレーラー

SAKANAQUARIUM 2011 DocumentaLy -LIVE at MAKUHARI MESSE-

 3月11日に放映されたのは2011年の5thアルバム『DocumentaLy』のツアー『SAKANAQUARIUM 2011 DocumentaLy -LIVE at MAKUHARI MESSE-』、幕張メッセ公演。ライティングやレーザーは絢爛だが、アルバム自体が東日本大震災以降のリアルな心象を切り取ったシリアスな作品である故、切実なメッセージが滴り落ちる。真摯に時代に向き合いながら、エンターテインメントを成立させる。そんな彼らのスタンスは楽曲をより強固で色褪せないものにし、この放映時も「years」が2020年現在を描いた歌のように響いていた。〈years この先に待ち受けてる時代の泥が/years 僕らを染めてしまうかはわからないけど/変わらないことひとつはあるはずさ〉というフレーズを、約束の言葉として噛み締めたひとときであった。 

サカナクション – SAKANAQUARIUM 2011 DocumentaLy -LIVE at MAKUHARI MESSE-(トレーラー)
サカナクション「years」MUSIC VIDEO -BEST ALBUM「魚図鑑」(3/28release)-

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる