THE RAMPAGE、MIYAVI……メロディとリズムの特徴的な絡み合いを体感 新譜5作をピックアップ

緑黄色社会『SINGALONG』(通常盤)

 「sabotage」(ドラマ『G線上のあなたと私』主題歌)、「Shout Baby」(アニメ『僕のヒーローアカデミア』EDテーマ)などのシングル曲で確実にポピュラリティを広げてきた緑黄色社会(以下、リョクシャカ)。メジャー1stアルバム『SINGALONG』は、幅広いジャンルの音楽を貪欲に吸収したバンドサウンド、長屋晴子の感情豊かなボーカルが存分に味わえる作品となった。メンバー全員が作詞・作曲に参加した「Mela!」、長屋の個人的な思いから生まれたバラードナンバー「一歩」など、4人の作家性とプレイヤビリティがさらに強く反映されたことで、独創的なポップネスを掴むことに成功。誰もが楽しめる大衆性と他のバンドにはない個性を両立させたことで、リョクシャカはようやく、自らのアイデンティティを確立したと言えるだろう。

緑黄色社会 『Mela!』Music Video / Ryokuoushoku Shakai – Mela!
井上苑子『ハレゾラ』(通常盤)

 今年7月にデビュー5周年を迎えるシンガーソングライター、井上苑子の新作ミニアルバム『ハレゾラ』は、思春期のピュアな恋愛をテーマにした楽曲から、切なくも愛らしい卒業ソング、大人の表情を感じさせるラブソングなど6曲を収録。学生時代の通学電車の思い出と80’sフレイバーを感じさせるサウンドを融合させた「近づく恋」、映画『キスカム!~COME ON,KISS ME AGAIN!』の主題歌「ぜんぶ。」、挿入歌「ラブリー」、オーガニックな手触りの音像のなかで“あなただけでも守れたら よかったな”という思いが浮かび上がる「リボン」など、色彩豊かな楽曲が楽しめる。アコギと歌を中心としたアレンジ、楽曲のなかにある物語を生き生きと映し出すボーカルも心に残る。

井上苑子-近づく恋

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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