ガラクタ、ちゃくら、berry meet……人気音楽ブロガー推薦! 絶対見ておくべき2024年注目バンド3選
大型フェスのラインナップを見ていると、コロナ前となる2019年の段階では結成すらしていなかったバンドの名前を目にすることが増えてきた。そんな若手バンドの頭角を実感する昨今。ライブハウスシーンに目配せしても、同じように2020年以後に結成したバンドの躍進が目立っており、昨年はシャイトープ(2022年結成)の「ランデヴー」がTikTokを中心に歌ってみたや弾き語り動画で使用される機会が増え、ストリーミングの累計再生回数1億回を突破した。平均年齢20歳のメンバーで構成されたConton Candy(2018年結成)の「ファジーネーブル」も同様に、TikTokで累計再生回数8,000万回(2023年6月時点)を超えるなど、こちらも2023年を代表する一曲となった。
この流れは2024年から2025年にかけても続きそうで、次々と若手バンドが飛躍する瞬間を目撃することになりそうだ。
例えば2024年の年明けから間もなく、例年のように音楽番組やSpotifyなどで2024年のブレイク候補をピックアップする企画が行われ、ブランデー戦記、サバシスター、離婚伝説(いずれも2022年結成)といったバンドがピックアップされていた。もちろん、そういった大きなメディアを通した出会いも素敵だが、そこに取り上げられる前に知っておきたい、というのもロック好きや早耳リスナーたちの心理だろう。
筆者は音楽イベント『ロッキン・ライフ』を定期開催しているのだが、そこでも早くみんなに知ってほしいと感じる新鋭バンドと度々遭遇することがある。飛躍を遂げるバンドは一瞬で会場の空気を掴み、会場全体に熱量を生み出し、ある種の一体感を生み出すのが上手い。本稿では、そんなライブハウス界隈で加速度的に頭角を現す、ブレイク前夜の若手バンドを紹介していきたい。
まず紹介したいのが、2022年夏に始動した、名古屋発のフォーピースバンドであるガラクタ。平均年齢20歳のメンバーが紡ぐ瑞々しいサウンドと、キャッチーで耳馴染みの良いメロディが魅力のバンドだ。彼らの代表曲である「アイラブユーが足りないの」や「一生片思い」など、恋愛をテーマにした等身大感のある歌詞も大きな武器で、同世代を中心に共感値の高い言葉で、感情を突き刺している印象を受ける。ボーカルのはるの透明感のある歌声が、等身大感のある世界観を際立たせており、ライブでも表現力豊かに楽曲をパフォーマンスする姿が印象的だ。音源にしろ、ライブにしろ、バンドが持っている武器をひとつの点に集約していくような心地よさが、ガラクタの楽曲には詰まっている。
次に名前を挙げたいのが、ちゃくら。ちゃくらも2022年夏に結成、フォーピースバンドとして活動している。SNSのプロフィールでは「猪突猛進ガールズバンド」と肩書きを記載しているが、その言葉の通り、パワフルでエッジの効いた楽曲が印象的なバンドだ。最大のキラーチューンのひとつである「19才」は音源で聴いてもエネルギッシュだが、ライブのパフォーマンスを観ると、パワフルさが音源よりも3倍増しで響くことになる。会場の一体感を生み出す冒頭の掛け声の部分だけで、大きな盛り上がりを実感できるだろう。パフォーマンス中は、メンバーのほとんどがアグレシッブにステージ上を動き回り、オーディエンスは呼応するように拳を突き上げる。また、ちゃくらも恋愛をテーマにした歌が多いが、「もういいよ、おやすみ」をはじめ、より自分の感情を赤裸々にしたような楽曲が多いのも特徴だ。ライブでは、その楽曲を披露する前のMCの流れも秀逸で、没入感高く、楽曲を堪能することができる。