森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.197
THE RAMPAGE、MIYAVI……メロディとリズムの特徴的な絡み合いを体感 新譜5作をピックアップ
フューチャーベース、トラップを取り入れたTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEの新曲「INVISIBLE LOVE」、強靭なギターサウンドとダンスビート、歌謡曲的な旋律がぶつかり合うMIYAVIのニューアルバム『Holy Nights』。メロディとリズムの特徴的な絡み合いを体感できる新作を紹介!
海外の最新鋭ダンスミュージックを取り入れ、幅広いリスナーが楽しめる日本語のポップスへと結実させ続けるTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEから今年2作目となるシングル「INVISIBLE LOVE」が到着した。表題曲は、Joe Ogawa(三代目 J SOUL BROTHERS、w-inds.などの楽曲を手がけるクリエイター)がビートメイクを手がけたミディアムバラードだ。楽曲の骨格となっているのは、フューチャーベース、トラップの系譜にあるエキゾチックなトラックと、憂いに溢れたメロディライン。官能的なリズム、そして、破滅的な恋愛感情を描いた歌が溶け合うこの曲は、THE RAMPAGEの音楽が確実に深みを増していることを示している。その中心にあるのは、色気と切なさ、思わず身体を揺らしたくなるグルーヴを共存させたRIKU、川村壱馬、吉野北人のボーカルだ。
前作『NO SLEEP TILL TOKYO』から、わずか9カ月弱というタームでリリースされるニューアルバム『Holy Nights』は、異常気象、移民問題、経済格差、さまざまな形で残り続ける差別などを直視し、“音楽に何ができるのか?”というテーマに向き合ったコンセプチュアルな作品。80’sテイストを反映させたトラック、エッジーにしてド派手なギターサウンド、歌謡曲的な旋律が、そして、〈僕らは 歌う/傷だらけ 手つないだまま〉というフレーズを持つ表題曲「Holy Nights」は、このアルバムを象徴する楽曲と言えるだろう。沢田研二の「TOKIO」、矢沢永吉の「止まらないHa~Ha」のカバーも収められ、“日本から世界へ”というスタンスを示しているのも本作の特徴。日本語の響きを活かした歌を世界標準のロック/ダンスミュージックへ昇華した充実作だ。
4月10日から始まった『REMOTE FREE LIVE』が話題を集めているリリスクの新作は、キャリア初のEP『OK!!!!!』。“この人生をもっと美味しく味わいたい!”とメッセージするタイトル曲「OK!」を筆頭に、フィーメールラッパーvalkneeが作詞を担当、ドープかつアグレッシブなトラックと“lyrical schoolは褒めて伸びる!”というライムがひとつになった「HOMETENOBIRU」、ネオソウル系のグルーヴのなかで、男性シンガーとメンバーのラップが心地よく絡む「Dance The Night Away feat. Kick a Show」などのコラボレーション曲も充実し、リリスクの新たな可能性を感じられる作品に仕上がっている。先鋭的なビートと日本語のフロウのケミストリーもさらに向上。超本格的なヒップホップとJ-POPの融合という意味において、彼女たちのクオリティは完全に際立っていると思う。