BTS、SEVENTEEN、赤頬思春期、Busker Busker……K-POPで描かれる“春”の情景

BTSら、K-POPで描かれる“春”

 そんな冬の寒さと春の暖かさが対比されて描かれているのがBTSの「봄날(Spring Day)」。タイトルこそ春にぴったりに感じるこの曲だが、MVが公開されたのは2017年の2月。まさにまだ冬の寒さが残っている中で春を待っている時期だ。

BTS (방탄소년단) '봄날 (Spring Day)' Official MV

 この曲では、深い悲しみの中で心が晴れる日を待つ切なさと、暗くて寒い冬から春の晴れた日に向かうまでを重ねて表現している。誰かを思えば思うほど辛く感じる会えない日々、春を待つ気持ちが強くなるほど長く感じる冬。切なくもどこか希望を感じるメロディは、冬に聴いても春に聴いてもしっくりくる不思議な曲だ。日本語バージョンもリリースされている。

 最後に紹介するのは、4月1日にリリースされた大人気グループ・SEVENTEENの日本オリジナル曲「舞い落ちる花びら (Fallin' Flower)」だ。彼らの最新曲であるこの曲は、花の持つ儚さと凛として咲き誇る姿を、美しい歌声と力強いラップで見事に表している。これだけで彼らの魅力を堪能できるとも言える、完成された1曲だ。Billboard JAPANの3月末のCDシングル売上レポートでは前作を大きく上回って首位に立っており、名実ともに人気を証明されている。そんなSEVENTEENのこの曲は、新たな春の定番ソングになるかもしれない。また、タイトル通り美しく舞い落ちる花びら、そして花のように美しい彼らのダンスで構成された淡い色合いながらも見応えのあるミュージックビデオも必見。

[TEASER]SEVENTEEN - 舞い落ちる花びら (Fallin' Flower) MV Teaser

 今回は、明るい曲からちょっぴり切ない曲まで春を感じられるK-POPソングを紹介した。「春といえば卒業」というわけではない韓国の曲は、歌詞に注目してみると心持ちが日本とは異なり、少し新鮮かもしれない。いくつかのタイトルや歌詞に入っていたように、韓国語で春は「봄(ポム)」。このワードだけですてきな春の曲をまだまだ発見できるので、春の雰囲気に浸りたい人は検索してみるのもおすすめだ。

■フルヤトモコ
1999年生まれの大学生。韓国のカルチャーと洋楽、本、映画など。
東京藝術大学 音楽環境創造科在籍。

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