BTS、SEVENTEEN、赤頬思春期、Busker Busker……K-POPで描かれる“春”の情景
4月、新生活を迎えたこの時期によく聞かれる歌といえば、桜ソング。日本では新年度といえば春、春といえば桜、というイメージだ。今年はお花見に行くのは難しいので、代わりに家で音楽を聴きながらゆったりと春の雰囲気を感じてみるのもおすすめ。この時期の韓国ではどんな曲が聴かれているのか、今回は春にぴったりなK-POPの曲を紹介してみたいと思う。
まずは韓国で知らない人はいないというほど人気の、Busker Buskerの「벗꽃 엔딩(Cherry Blossom Ending/桜エンディング)」。Busker Buskerはオーディション番組で人気を獲得した、韓国人2人とアメリカ人1人で構成されたバンドだ。「벗꽃 엔딩(Cherry Blossom Ending/桜エンディング)」はそんな彼らが番組終了後の2012年に発表したデビューアルバムに収録した、初々しくて爽やかなラブソング。注目を集めていた彼らの期待を裏切らないキャッチーな曲は、瞬く間に人気となって今でも春の定番ソングだ。春の風に吹かれて舞い散る桜と、やわらかい陽射しの中で幸せそうな恋人たちの様子が思い浮かぶような、あたたかい気分になる曲に仕上がっている。
”봄바람 휘날리며 흩날리는 벚꽃 잎이 울려 퍼질 이 거리를 둘이 걸어요”
(春風がたなびかせて 舞い散る桜の花びらが 響き渡るこの街を 2人で歩こう)
次は2019年の春にヒットした、赤頬思春期(BOL4)の「나만, 봄(Bom/わたしだけの春)」。赤頬思春期は、昨年『SUMMER SONIC』にも登場した実力派の二人組だ(4月2日にウ・ジユンが脱退し、アン・ジヨンの1人体制になることが発表)。可愛らしいビジュアルに対しのびのびとパワフルな2人の声と爽やかなギターの音色が魅力的で、2019年の日本デビュー以降は国内でも注目を集めている。今回紹介するのは、ぽかぽかして穏やかだが、ときどきちょっぴり強めの春風がスパイスになる、まさに春のようなまっすぐな恋心を歌い上げた1曲。春の景色によく似合う彼女たちの歌声の輝かしさがさらに感じられる。春の象徴である桜にすら〈벚꽃도 뭐고 다 필요 없어(桜もなにも必要ないの)〉と思ってしまうほど〈나는 네 곁에 있고 싶어(あなたのそばにいたい)〉と思う気持ち。春歌ながら桜が主人公になれないところも魅力的だ。
日本で春歌といえば、卒業ソングなど出会いや別れを描いた歌詞が定番。ちょっと切なくて新しいところに向かっていくような曲がメインだ。一方で、今回“桜”が歌詞に出てくるラブソングを紹介したように、韓国の春歌は爽やかで明るい曲が多い。それは韓国の卒業シーズンは2月、そして入学シーズンは3月だからだろう。桜が咲く時期には新しい出会いを迎えているため、春の暖かな雰囲気を感じられる曲が多くなっている。韓国の冬は非常に寒いこともあり、それを越えて迎えるぽかぽかした陽気はその分幸せなイメージを感じられるのかもしれない。