BURNOUT SYNDROMES、アニメとの絶妙な距離感を保つ主題歌の数々 コンセプトベストは入門編としても楽しめる作品に

BURNOUT SYNDROMES、アニメとの絶妙な距離感を保つ主題歌の数々 コンセプトベストは入門編としても楽しめる作品に

 アニメ主題歌を多数手掛けるバンドは少なくないが、バンドのコアな部分とアニメ作品が強く結びついている、というラインにまで絞っていくと、そこで名前が挙げたくなるバンドは限定されていくように思う。そういった中で、ぜひ名前を出したいバンドが、BURNOUT SYNDROMES(バーンアウトシンドロームズ)である。

 メジャーデビュー曲である「FLY HIGH!!」は人気アニメ『ハイキュー!!』のオープニングテーマに起用された。以降、BURNOUT SYNDROMESは「ヒカリアレ」や「PHOENIX」で『ハイキュー!!』シリーズの主題歌を3期連続担当することになり、切っても切り離せない関係となっていく。そこで、アニメ主題歌や、新曲「Dream On!!」(『ハイキュー!!』公式トリビュートソング)、「白線渡り」も収録したコンセプトベストアルバム『BURNOUT SYNDROMEZ』発売を機に、彼らは『ハイキュー!!』をはじめとするアニメ作品とどう向き合い、楽曲を作ってきたのかを改めて考えてみたい。

BURNOUT SYNDROMES 『FLY HIGH!!』 Music Video TVアニメ「ハイキュー!! セカンドシーズン」第2クールオープニング・テーマ

 アニメ主題歌として大切なものは「メロディ展開」「尺」そして、「世界観」だろう。当然、オープニングとして起用される場合、実際のオンエアで流れる尺は決まっているから、その枠にハマるようにしなければいけない。さらに全体の尺の中で、アニメタイアップならではの盛り上がるような展開を作る必要があるわけだ。そういう意味で「FLY HIGH!!」は比較的教科書的な流れがある。冒頭はしっとりとしたサビ→キャッチーなイントロ→高低差の少ないAメロ→Aメロとサビを繋ぐ高低さのあるBメロ→勢いをつけた明るいサビ、といった流れになっている。こうしたフォーマットは、“アニメ主題歌であること”を意識した楽曲で散見される要素である。例えば『NARUTO -ナルト-』のアニメ主題歌であるFLOW「GO!!!」はほとんど上記の要素を備えた進行になっている。あるいは、『鋼の錬金術師』オープニング曲のポルノグラフィティ「メリッサ」、『夜桜四重奏 〜ハナノウタ〜』のオープニング曲となったUNISON SQUARE GARDENの「桜のあと(all quartets lead to the?)」などでも、似たような展開を見ることができる。

FLOW 『GO!!! ~15th Anniversary ver.~』(Music Video Full Ver. コメント入り)
ポルノグラフィティ 『メリッサ(short ver.)』 / Porno Graffitti 『Melissa(Short Ver.)』
UNISON SQUARE GARDEN「桜のあと(all quartets lead to the?)」ショートVer.

 ただし、BURNOUT SYNDROMESの場合、単なるアニメ主題歌としてのツボを抑えた楽曲以上の魅力があって、それは「世界観」という言葉に集約されていく。彼らのデビュー曲がアニメ主題歌だったということも大きいのだろうが、“自分たちのことを知らない人が聴く”という前提のもと、アニメの持つ世界観と自分たちの楽曲の世界観に統一感を作り、楽曲がバンドとアニメとの架け橋になるような視点で言葉が紡がれているように感じるのだ。

 アニメの物語を踏襲した歌詞を書いていくことがベースにはなるのだろうが、単純に作品のシーンを切り取った言葉を紡ぐのではなく、アニメのどういった要素を歌詞で汲み取り、それをどういった言葉で表現するのかという点に腐心が見られるのである。例えば、「FLY HIGH!!」の〈FLY〉というワードや、〈飛べ〉という歌詞はバレーボール部を舞台にした『ハイキュー!!』の主題歌だからこそのフレーズであると言えるが、歌詞全体をみていくとそれ以上に寄せた言葉は使わないといった、絶妙な距離感を感じさせるのである。アニメ主題歌であることは意識しつつも、作品の外側にも波及するようなバランスで着地する絶妙さが、BURNOUT SYNDROMESの楽曲にはあるのだ。もちろんそれは、新曲「Dream On!!」でも同様で、〈羽が無くとも飛べるさ〉といった歌詞からは『ハイキュー!!』の世界観を彷彿とさせるものの、ストレートな言葉は使われていない。

「Dream On!!」

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