The Individualism of BEYOOOOONDS ~ビヨーンズの個性と発展~
BEYOOOOONDS 一岡伶奈を知るための5つのポイント 長い下積みを乗り越え“愛されリーダー”に
ハロー!プロジェクトの最新グループ、BEYOOOOONDS。2018年に結成され、2019年にシングル『眼鏡の男の子 / ニッポンノD・N・A! / Go Waist』でメジャーデビュー。寸劇などの身体要素を取り入れた個性的な楽曲が話題を呼び、オリコン週間チャート初登場1位を獲得。同年末には日本レコード大賞の最優秀新人賞を受賞。令和2年、さらなる飛躍が期待されているアイドルグループだ。
楽曲も個性的なら、メンバーのパーソナリティも個性的なのがBEYOOOOONDS。今回の連載企画では、メンバー12人それぞれのキャラクターについて、5つのポイントを立てて紹介していく。
1. 下積み期間の長さ
BEYOOOOONDSおよびCHICA#TETSUのメンバーである一岡伶奈。彼女がアイドルとしてプロデビューするまでには短くない歳月を要した。
一岡は2012年11月にハロプロ研修生の第17期生として加入。当時の彼女は中学2年だった。同期のメンバーには牧野真莉愛、加賀楓(以上モーニング娘。'20)、金澤朋子(Juice=Juice)、和田桜子(こぶしファクトリー)、岸本ゆめの(つばきファクトリー)がいる。一岡以外の5人は、金澤が2013年2月、牧野が2014年9月、和田と岸本が2015年1月と4月、加賀が2016年12月にそれぞれハロプロ正規メンバーに昇格している。つまり一岡は同期生に次々と追い越されてデビューしていくのを見送っていたわけで、その胸中は察するに余りある。
加賀がモーニング娘。に昇格した際、ファンは「長年ハロプロ研修生として頑張っていたかえでぃーがやっとモー娘。としてデビューできた!」と喜んだわけだが、一岡も似た境遇だった。加賀デビュー後の2017年5月のハロプロ研修生実力診断テストでは、一岡は「ここで結果が出せなかったら、もう研修生を辞めようと思っていた」ほどの決意だったという。この実力診断テストでは、賞こそ取れなかったものの、ハロプロメンバーとしてデビューできるということのみが決定・発表された。研修生入りから実に4年半の月日が経っていた。翌6月には新グループのリーダーになるとの発表があった。
ハロプロ研修生として研修をスタートしてからハロプロ正規グループの一員に昇格するまでの期間というのは各人によってまちまちで、早い者もいれば遅い者もいる。例えば前述した金澤などはわずか3カ月でデビューしている。これまでの例を考えると、統計を取ったわけではないが、感覚的には平均2年前後ぐらいだろうか。デビューできなかった研修生もこれまでいた。そんななか、加賀や一岡は“苦労人”と称されてもおかしくない長い年数だった。
一岡はすぐにデビューできたわけではなかった。デビューすることは確定したものの、それがどういう形で行われるのか等の詳細発表が、その後約1年ほどペンディングされたのである。ファンの間でも「デビューするって発表されたけど、あれって結局どうなってんの?」と言われていたし、一岡本人もそれは同じように感じていたと思われる。結局、2018年3月にあらためてグループの結成が発表され、同年6月にメンバー発表、10月にグループ名発表と事が進んだわけだが、あの1年間の待機期間は焦らされた印象がある。