NEWS『NEVERLAND』はアルバムプロジェクト4部作の原動力に 4人の培ったものが集まり広がる素晴らしい世界

 NEWSが、3月4日にニューアルバム『STORY』をリリースする。NEWSはこれまで、グループ名の頭文字を取り、「N」=『NEVERLAND』(2017年)、「E」=『EPCOTIA』(2018年)、「W」=『WORLDISTA』(2019年)と、コンセプチュアルなアルバムプロジェクトを繰り広げてきた。「S」=『STORY』の収録曲を見てみると、「STORY」から始まり「NEW STORY」で締めくくられている。シリーズの集大成にして、NEWSの新たな物語の始まりとなる本作への期待が一気に高まる。

 NEWSが、このアルバムプロジェクトで見せてくれたものとは何か。発売日までのカウントダウンをしながら、改めてこれまでのアルバムを振り返り、最新作『STORY』を最大限に楽しもうではないか。今回紐解きたいのは、すべての始まりとなった第1章『NEVERLAND』だ。

NEWS『NEVERLAND』(通常盤)

「ようこそNEVERLANDへ――」

 ディスクをセットし、再生ボタンを押すと、聞こえてきたのは“ミスター・インポッシブル“と名乗る、案内人の声。まるでテーマパークにいるかのような心が躍るBGMと共に、「鍵を見つけてくれてありがとう。目の前にあるこの時空の扉、これはあなたの旅のゴールでもあり、旅の始まりでもあります。楽しみ方は、あなた次第」と語りかけられる。

 アルバムの初回封入特典には、実際に鍵のモチーフと招待状が。「いつでもどこでもこの鍵は、ネバーランドにつながる不思議な鍵。招待状が届いたあなたを、世にも美しい、Fire,Water,Ray,Sound,Dance,Love,and Magic!の世界に、ぼくたち4人がいざないます」のメッセージを添えられているというニクい演出も。

 まるでどこかの国のおとぎ話に、足を踏み入れたような世界観。火の中、水の中へと冒険を繰り広げ、音楽に合わせて踊り、恋と魔法がきらめくNEVERLAND。NEWSの4人がヒーローならば、それを聞く誰もがヒロインになれる。そんな現実を飛び越えた世界に一気に引き込まれるのが、このアルバムの衝撃だった。

 続いて、オープニングから異国情緒なサウンドが妖しげに響く「NEVERLAND」が耳に飛び込んでくる。聞き慣れた彼らの歌声なのに、いつもよりスパイシーな歌い方に、少し戸惑う。姿形はそっくりなのに、パラレルワールドの4人に出会ったような感覚だ。暗闇の中、松明を掲げて突き進むかのような力強さ。その先に待つ何かが楽しみなような、少し怖いような。だが、4人と一緒なら、きっと楽しめるはず、見知らぬ世界の旅も!

 そんな気持ちでいると、街の上を気持ちよく飛び回るような爽快感あふれる「アン・ドゥ・トロワ」が聞こえてくる。まぶたを閉じると、月、星、街の灯り、そして弾けるような彼らの笑顔が、浮かんでくるようだ。そして、今度は4人がジャケットを翻し、24時を示す時計台の光を背に「EMMA」を歌い始める……というのは、筆者がアルバムを聞いていて見えた景色。あなたが聞いたときには、どんな風景が見えただろうか。それぞれのまぶたの裏に広がって見えるのが、『NEVERLAND』の魔法だ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる