角銅真実&アグネス・オベル、シンガーソングライターとしての感性の鋭さ ショーケースライブを観た

角銅真実&アグネス・オベル ショーケースレポ

 続いては、アグネス・オベルのステージ。デンマーク出身、現在はドイツ・ベルリンを拠点に活動してる彼女は、2010年のデビューアルバム『Philharmonics』がヨーロッパ各国でヒット。アルバムの収録曲が映画『光のほうへ』のサウンドトラックに使用され、「Riverside」がドラマ『グレイズアナトミー 恋の解剖学』(シーズン7・16話)で使われるなど、幅広く親しまれている。

 この日は2020年2月21日に発売されるニューアルバム『マイオピア』から6曲をいち早く披露。3人の女性ミュージシャン(Viola/Cello/Percussion)とともに、クラシカルにして前衛的な演奏を繰り広げた。クラシック、ヨーロッパの土着的な音楽を背景にしながら、エレクトロニクスを駆使し、即興的に構築されるアンサンブルはきわめて現代的。まるでテクノを聴いているような雰囲気に近づく場面もあり、穏やかさと刺激が交差する豊かな音楽空間を作り上げた。その中心にあるのは、神聖さと強さを兼ね備えたボーカル/ハーモニーだ。

 アルバム『マイオピア』はこれまでの作品(『フィルハーモニクス』『アヴェンティン 』『シチズン・オブ・グラス』)と同様、録音、ミキシングに至るまで、すべて彼女自身が手掛ける“ワン・ウーマン・プロジェクト”で制作。ライブ後のインタビューでは「曲の内容をサウンドプロダクションとして描きたかったんです。クラシックの世界では多いですが、ポップスの世界ではそれほどないことなので、それをやりたいと思いました」と語った。

191126agnes_obel_0162
191126agnes_obel_0147
191126agnes_obel_0121
191126agnes_obel_0244
191126agnes_obel_0198
191126agnes_obel_0075
previous arrow
next arrow
191126agnes_obel_0162
191126agnes_obel_0147
191126agnes_obel_0121
191126agnes_obel_0244
191126agnes_obel_0198
191126agnes_obel_0075
previous arrow
next arrow

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

角銅真実 ユニバーサル ミュージック ジャパン サイト
アグネス・オベル ユニバーサル ミュージック ジャパン サイト 

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる