“同時デビュー”のSixTONESとSnow Man、躍進支えるオリジナル曲の特徴 それぞれのサウンドから分析

オーラを生かした壮大な世界観が魅力のSixTONES

SixTONES(ストーンズ) - JAPONICA STYLE [Official Music Video]

 SixTONESは2015年結成、今年で5年目を迎える。彼らのこれまでの活動で特筆したいものといえば、やはり「YouTubeアーティストプロモ」だろう。それを機に制作された「JAPONICA STYLE」は世界に向けてのアピールということもあり、かなり“和”のイメージが強い楽曲である。昨今の第3次韓流ブームに加え、最近は“中国メイク”も流行している日本だが、“日本の文化を世界に発信する”にあたって練られた楽曲は、和楽器サウンドであった。滝沢秀明が演出を務めてきた『滝沢歌舞伎』シリーズを始めジャニーズが日本の文化を重んじたコンテンツはあったものの、同楽曲のように和のサウンドとSixTONES本来の力強いダンスを組み合わせ、現代風にアレンジしたのは画期的であった。SixTONESはジェシーと京本大我のボーカルも特徴の一つであるが、この楽曲では特にそれぞれの個性が出ている。メンバーのソロパート歌唱の末にたどり着くサビでのユニゾンは、楽曲により厚みを生む重要なポイントとなっている。

SixTONES「Amazing!!!!!!」(「ジャニーズJr.祭り 2018」単独LIVE in 横浜アリーナ)

 また、「Amazing!!!!!! 」はその「!」の数や、歌詞に彼らのグループ名が多く登場する点で、SixTONESとして拘り抜かれている1曲だ。ライブでも非常に盛り上がる楽曲であるが、ラップパートとサビを繰り返す構成は珍しく、コードも単調に感じるかもしれない。しかし、サビの分かりやすいメロディラインと〈We are SixTONES〜〉という歌詞が圧倒的なスケール感を生み、またとない凄まじさを表現する。“SixTONES”というジャンルがそこに存在しているかのようだ。

 最近では、音楽番組『Love music』(フジテレビ系)に出演したSixTONES。披露した「RAM-PAM-PAM」はデビュー前とは思えない彼らのオーラとパフォーマンスの視覚的なインパクトが印象的だが、サウンド的にも今のSixTONESの魅力を引き出すのにぴったりな一曲であるだろう。Aメロ、Bメロでメンバーがソロで歌って徐々に盛り上げ、サビを重低音の響くサウンドでまとめているところが最高にクールだ。他のグループとの差別化を図る過程で、彼らの抜きん出たオーラを生かして壮大な世界観を作りあげたのはお見事である。

 現段階でも限りなく完成形に近いグループと思われがちだが、現在全国ツアー中で多くのファンを抱えるSixTONESはさらなる進化の余地が十分ある。「JAPONICA STYLE」で見せた姿はそれまでとは違った一面であったように、SixTONESの見せるクールさのバリエーションはこれからも増え続けるだろう。今後の世界進出にも向けた新しい日本のアイドル像の創造に期待したい。

■momotoxic
ブロガー。自称"楽曲派"。Twitter:@momotoxic1006

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