Aimer、Uru、milet……女性ボーカルのトレンドはインパクトと聴き心地の良さにあり? 近年の傾向を探る

 また、近年映像作品との親和性が注目されているのも、彼女たちの歌声が求められる理由となっている。例えば、2018年のドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の主題歌である米津玄師「Lemon」や、今年放送された『イノセンス 冤罪弁護士』(日本テレビ系)の主題歌であるKing Gnu「白日」など、歌声で強烈なインパクトを残し、さらに作品との親和性が高い楽曲がヒットする傾向にある。miletやAimer、Uruもこれまで映画やドラマ、アニメなど数々の映像作品の主題歌やテーマソングを務めてきた。中でもアニメの主題歌になった楽曲は話題を呼び、YouTubeで映画『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅰ.presage flower』の主題歌「花の唄」(Aimer)は1603万回、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』2期のEDテーマ「フリージア」(Uru)は571万回、『ヴィンランド・サガ』2クール目のEDテーマ「Drown」(milet)は配信から1週間で147万回再生されている(11月15日時点)。アニメは日常と切り離されているからこそ、他の映像作品よりも世界観が強く、そこに使用される楽曲へのファンの期待は大きい。彼女たちのような作品のイメージを損なわない、どこか神秘的でエモーショナルな雰囲気を演出できる歌声が支持されるのも頷ける。

Aimer 『花の唄』(主演:浜辺美波 /劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅰ.presage flower主題歌)
【Official】Uru 『フリージア』 YouTube ver.『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2期EDテーマ
milet「Drown」MUSIC VIDEO(「ヴィンランド・サガ」エンディングテーマ)

 どうやら時代のトレンドはmilet、Aimer、Uruのように聴く者を惹きつける歌声を持ち、歌唱力はもちろんのこと、楽曲の世界観を確立する表現力も重要となっているようだ。そのどれもを備えているからこそ、彼女たちの歌声は様々なシーンから求められている。

■苫とり子
2019年春からフリーライターに。
主にコラムやライブ・イベントのレポートを執筆しています。
Twiter(@bonoborico)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる