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アリアナとも共演のラナ・デル・レイ、最新作に感じたアメリカに対する希望と先人たちへの敬意

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 今か今かと待たれていた話題の曲「ドント・コール・ミー・エンジェル」がお披露目されたのは、さる9月半ばのこと。ご存知、アリアナ・グランデとマイリー・サイラス、そしてラナ・デル・レイが、音楽界のエンジェルよろしく共演し、マックス・マーティンがプロデュースを手掛けた、映画『チャーリーズ・エンジェル』リブート版の主題歌だ。

Ariana Grande, Miley Cyrus, Lana Del Rey – Don’t Call Me Angel (Charlie’s Angels)

 いったい3人はどう絡むのだろうかと興味津々でチェックしてみると、まずアリアナが、続いてマイリーが歌い、クライマックスになってようやくラナが登場する。ラナがこれほどにメインストリームな志向のシングルに関わるのは今回が初めてで、アウェイ感が強いだろうことは予測されたのだが、さすがはアメリカンポップミュージック界きっての異端児、マイペースを崩さない。それどころか、唯一無二のスモーキーな声は瞬時に曲のムードを塗り替え、時間の流れを緩慢にし、まさにアウェイ試合であるがゆえに、自分の特異な存在感を際立たせる結果になったのではないかと思う。

 そう、ラナは7年前に名曲「ビデオ・ゲームス」で我々を虜にした時から、トレンドとは無縁の、独自の美意識を完成させていた。現在はLA在住、ニューヨーク州レークプラシッド出身で大学時代に音楽活動を始めた彼女は、デジタルオンリーのアルバム『Lana Del Ray aka Lizzy Grant』(2010年)を発表したのち、シングル「ビデオ・ゲームス」でメジャーデビュー。リヴァーブにとろけるミニマルなプロダクションと優美なメロディと前述した美声で形作ったシネマティックな表現で、強烈な印象を刻んでからというもの、質の高いアルバムを次々に発表。2ndアルバム『ボーン・トゥ・ダイ』(2012年)以降は全作品が全米チャートで3位以上を記録しており、先頃6枚目『ノーマン・ファッキング・ロックウェル!』をリリースしたばかりだ。

Lana Del Rey – Video Games (Official Music Video)

 そんな風に自分がやりたいことを貫いて成功を手にしたラナに、しばしば向けられる批評として、「いつも変わらない」というのがある。確かに「ビデオ・ゲームス」は一種のテンプレートとなり、ここで打ち出した、ダウンテンポでノスタルジックかつメランコリックなトーンは今も引き継がれているが、それを描写するサウンドとエモーションのパレットは、作品ごとに着実にシフトしている。The Black Keysのダン・オーバックと組んで録音した3rdアルバム『ウルトラヴァイオレンス』(2014年)では、『ボーン・トゥ・ダイ』を裏打ちしていたブレイクビーツが姿を消し、ブルース色の強いサイケなロックに接近。次いで4作目『ハネムーン』(2015年)では壮麗でドリーミーなサウンドを鳴らし、多数のゲストを交えた5作目『ラスト・フォー・ライフ』(2017年)は、今までになく軽やかでバラエティのある、集大成的アルバムを仕上げていたものだ。

      

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